04
車内にアナウンスが響く。
どうやらそろそろホグワーツに着くようだ。
「じゃあ、僕達は外で着替えるから、鈴香はここ使って?」
「え、でもリーマス達に悪いからいいよ」
「いやいや、君は女の子なんだから」
バチン、ってウィンクを決めるジェームズとその横で頷くピーター。
「…そうか、お前女だったな」
「やっぱりアナタはリーマスを見習いなさい、シリウス」
失礼なことをいうシリウスを叩いて彼だけを追い出した。
他の皆はこの短時間で慣れてしまったのか、既にもう見放しモード。
ピーターだけ心配そうに見つめていたから、にっこり微笑んでおいた。
途端に顔を真っ赤にさせるピーターがかわいくてしかたがなかった。
「お前、根元はタラシだろう」
「いいから早く出ていきなさいよ」
そう言って、コンパートメントの扉を閉め、着替えた。
私の着替えが終わり、コンパートメントを開けると、もうすでに着替えの終わった皆がそこにいた。
「遅ぇよ。待たせすぎ」
「どっかの誰かさんと違って、女はいろいろあるんです」
「まぁまぁ、鈴香。もう着くみたいだから、シリウスと喧嘩するなら後で、ね」
リーマスに諭すように言われたら大人しく言うこと聞くしかない…。本当に同い年なのかしら。
そんな私がおもしろかったのか笑っているシリウスがやっぱりムカついたから、彼の足をおもいっきり踵で踏んでおいた。