02
列車が発車し、空いてるコンパートメントを探す。
「…鈴香がもたもたしてるから…」
「もう、小言はいいから早く探しましょう」
そうんなことを言い合いながら探していると、一箇所だけ人があまり居ないコンパートメントを見つけた。
シリウスはノックもそこそこに返事を待たずその扉を開けた。
「ここ、いいか?」
「あぁ、構わないよ?」
にっこり笑う彼は、顔に傷が多少あるものの、好印象の少年だった。
「鈴香、早く入れよ」
「あ、うん」
少しその子に見惚れていたら、拗ねたようにシリウスが言った。…どこに拗ねるポイントがあったんだろう。
「俺はシリウス・ブラック。こっちは妹の鈴香だ。お前は?」
「リーマス。リーマス・J・ルーピンだよ。よろしくね」
にっこり、再び笑うリーマスは、とても綺麗で、またしても見惚れてしまった。
「よろしく、リーマス」
そう言えば彼もよろしく、って返してくれた。