17
どれほど眠っていただろう。
ふと意識が浮上し、目を覚ました。
時間のわかるものが手元に無いため、とりあえず自室を出る。
「レギュラスー?」
隣の部屋をノックしてしばらく待ってみるも、返事はなく部屋には居ないようだ。
ここに居ても如何しようもないので、広間に行ってみようかな、そう思い、階段を下りようとした。
「誰だ、お前」
後ろから何かを突きつけられている感覚がした。
それは刃物や凶器に分類する物では無さそうだが、相手からの害意は感じられる。
「藤堂、鈴香。今日から鈴香・ブラックになるわ」
「はぁ?」
呆れたような声と共に背後の空気が緩んだ。その隙に後ろに立つ相手に向かって後ろ蹴りをした。
「ぐ、ぅっ…」
距離をとって振り向けば、ちょうど鳩尾の辺りを押さえる同い年くらいの男の子。
思いっきり入ったらしい彼に少し罪悪感…。
「だ、大丈夫…?」
「、平気だ…」
そういう割には痛そうな顔してるけれども…。
「姉さん?」
階段の下からレギュラスが登ってきた。
「姉さんどうかしました…兄さん」
私の様子を見に来たらしいレギュラスは、男の子を見て冷静に呟いた。
「あの蛙が潰れたような声は兄さんだったんですね」
「…レギュラス、どういう意味かお兄さんにもわかるように説明してくれるかな、?」
「嫌ですよ、面倒くさい。そもそも自分で“兄さん”とか言いますか。気持ち悪いですよ」
「…お前な…」
レギュラスの攻撃に少し同情…。