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「母上!」
私の手を引き、広間へ行くと、お父様とお母様が居た。
「どうかしたの、レギュラス」
あなたが走るなんて、珍しいわね。そう言って笑う二人に、レギュラスは顔を赤くした。
「父上、母上、姉さんの力のことはご存知ですか?」
「力?」
お父様がそう聞き返すと、悪戯をする子供のような笑顔で頷いた。
私を見て、催促をする彼は年相応の幼さだ。
さっきと同じようにして、式紙の廉と杏を出す。
『お呼びですか、ご主人様!』
「…これは…?」
物珍しそうにして、お父様が近寄る。
『こいつら、誰だ?』
『廉、しーっ!』
双子は話しながら此方の様子を伺っている。
「…ああ、藤堂の家は“オンミョウジ”というらしいいな」
「はい、お父様。これは式紙と申します」
『俺は廉!』
『私は杏、です』
漸く事がわかった両親と双子。
廉はお父様に、杏はお母様に近寄った。
三人と双子はなにやら話していた。