回る、廻る
14


「母上!」


私の手を引き、広間へ行くと、お父様とお母様が居た。


「どうかしたの、レギュラス」


あなたが走るなんて、珍しいわね。そう言って笑う二人に、レギュラスは顔を赤くした。


「父上、母上、姉さんの力のことはご存知ですか?」


「力?」


お父様がそう聞き返すと、悪戯をする子供のような笑顔で頷いた。
私を見て、催促をする彼は年相応の幼さだ。
さっきと同じようにして、式紙の廉と杏を出す。


『お呼びですか、ご主人様!』


「…これは…?」


物珍しそうにして、お父様が近寄る。


『こいつら、誰だ?』


『廉、しーっ!』


双子は話しながら此方の様子を伺っている。


「…ああ、藤堂の家は“オンミョウジ”というらしいいな」


「はい、お父様。これは式紙と申します」


『俺は廉!』


『私は杏、です』


漸く事がわかった両親と双子。
廉はお父様に、杏はお母様に近寄った。
三人と双子はなにやら話していた。


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