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それからクリーチャーと別れ、お隣のレギュラスの部屋に連れていってもらった。
「姉さんの家には、屋敷しもべは居なかったのですか?」
部屋の椅子に座り、休憩をしているとレギュラスが聞いてきた。
「んー、屋敷しもべは居なかったよ。私にはこの子達が居たしね」
ポケットからケースを取り出して振ると、レギュラスはますます不思議そうな顔をした。
「なんですか、それ」
「んー、見てて」
ケースから一枚紙を出し、軽く叩けば宙に止まる。
「汝、契約者の御許にその姿現せ」
“ボンッ”と音がして紙のあった場所に男女の双子の小人が現れた。
『あっれ、主だ〜』
『ほんとだ、ご主人様だわ!久しぶり!!』
「うん、久しぶりだね」
2人は近寄り私の手の上に乗る。
「え?…えっ?!」
その様子を黙って見ていたレギュラスはものすごく混乱しているようで、私を見て戸惑っている。
『主、こいつ誰です?』
「あぁ、廉。彼はレギュラス。私の弟だよ」
『ご主人様の弟?』
「えぇ。今日からここ、ブラック家にお世話になるのですよ、杏」
『そうなんですか(そうなのか)〜』
そういう双子はいつものように仲良く近くの空気に座った。