08
あのあと、ダンブルア校長とマクゴナガル先生にお礼を言い、そのままお父様と一緒にホグワーツを出た。
ホグワーツからなんだか賑やかな村を通り、近くのパブからまたフルーパウダーを使ってブラック家へと着いた。
勿論、今回はお父様にフルーパウダーの使い方を教えてもらって、自分の力で家に着いた。
「ああ、無事着いたようだね」
先に家に帰っていたお父様は暖炉の前で待っていてくれたみたいで、私が着いたら微笑んで出迎えてくれた。
「はい、大丈夫でした。お父様」
近くに行くと、お父様が頭を撫でてくれた。
「あら、着いたの?」
お父様の後ろから、少し厳しそうな女の人が現れた。
「あぁ、ヴァルブルガ。彼女がさっき話した鈴香だ。鈴香、こっちはヴァルブルガ。私の妻だ」
「はじめまして、鈴香。お会いできて本当に嬉しいわ」
ふわり、まるで花が綻ぶかのように笑うヴァルブルガさん。
「よろしく、お願いします。ヴァルブルガさん」
「あら、オリオンのことは“お父様”って呼んでいるのに、私は“お母様”って呼んでくださらないの?」
「そんなこと、ありませんよ。お母様」
そう言って笑うと、強く抱きしめられた。
「可愛い!!本当、うちには娘が居ないから、本当に嬉しいわ!」
貴女には、辛い出来事だったでしょうけど…。
そう言って悲しそうにするお母様。
「今は、もう大丈夫です。私には“今の”お父様とお母様が居ますから」
そう言って微笑めば、またお母様に抱きしめられた。