07
それから、しばらく他愛も無い話をしていると、再び校長室の扉が叩かれた。
「見てきます」
そう言って、マクゴナガル先生は扉のほうへ行き、現れた人を案内してきた。
「おお。到着されたようじゃな」
「アルバス、藤堂の娘が此方に居ると聞いたのだが」
「まぁまぁオリオン、落ち着きなされ。彼女がそうじゃ」
ダンブルドア校長が紹介してくれたのは、ハンサムなおじ様。
「は…はじめまして。藤堂 鈴香です…」
「あぁ…君は本当スピカにそっくりだ」
スピカは母の名前だ。
久々に聞いた母の名前に、この人が本当に親戚なのだと確信した。
「私はオリオン・ブラック。スピカの兄で、君の伯父にあたる」
「オリオン、伯父様…」
「これからは私が君の保護者であり、父親だ。鈴香が嫌でなければ君と家族になりたいと思っているのだが…」
どうかな?
そう優しく言ってくれたオリオン伯父様…ううん、お父様の気持ちに嬉しくなって泣きそうになった。
「よろしく、お願いします。お父様…っ」
つい衝動的に抱きつけば、お父様は優しく抱きしめ返してくれて、背中を撫でてくれた。
あの家ではあまりなかった人の温かさが、身に沁みた。