05
アルバスに腕を引かれ、部屋の椅子に腰掛けた。
アルバスが飲み物を取りに行っているあいだに、部屋を見回した。
壁一面にある大量の書物、赤い大きな鳥、古臭い帽子、それから動く肖像画。
まずなぜ肖像画が動くのか不思議でならない。
それによく見れば、先程から帽子も多少動いているようだ。
「何か、気になるものでもあったのかね?」
アルバスは紅茶とちょっとしたお菓子を持って戻ってきた。
「はい…。なんだか見たことも無い不思議なものばかりで…」
「君のご両親は、魔法の事を隠しておったようじゃからな。不思議でもしかたのないことじゃ」
「…両親を、知っているのですか?」
「左様…二人とも、此処の卒業生じゃよ」
全く知らなかった。
だって二人とも、ずっと日本に居たと思っていたし、家系が家系だから、まさかこんなところに通っていたなんて思いもしなかった。