(殺気すら漂っているフロイド。周囲はビクビクしている)

「フロイド。機嫌が悪いですね。何かあったんですか?」
「あ、ジェイド。ん〜……昨日、オキアミちゃんとケンカしたんだぁ」
「おや。フィリアさんがフロイドとケンカするなんて珍しい」
「言っておくけど、オレは悪くないよ。オキアミちゃん、普段あれだけオレのこと好き好き言っておいて、異世界への道が開いたらそっちに行っちゃうんだって言うからさぁ」
「おや。しかし、フィリアさんは元々異世界から来ましたからね」
「異世界で行方不明のオトモダチを捜して助けたいから、扉が開いたらすぐにでも旅立つって。いつここに戻ってこられるかも分からないのに」
「では、その時がきたらどうするんです?」
「……分かってて、訊いてる?」
「まさか」
「本当なら、キーブレードとかいうあの鍵ぶっ壊して、どこにも行けなくしてやりたいけど、アレを壊したらオキアミちゃんも死んじゃうみたいだし」
「心が壊れても、身体は残るんですよね?」
「えぇ?……動かなきゃつまんねぇじゃん」
「海に沈めるのと大差ないと思ったのですが……フロイドは優しいですね」
「アハッ。そう。オレ、チョー優しいから――今のうちに、二度とそんなこと言えないようにしておかなくちゃ」




「フロイド先輩、昨日はごめんなさい。でも、分かってほしくて」
「(……)」
「私、友だちを助けにいきたいの。心が繋がってれば、必ずまた会えるから」
「オレさぁ。オキアミちゃんのそういうトコロ、案外面白くて気に入ってたけど、今は――すげぇウザい」
「わっ!?」
「オレが自分のメスを手放すわけワケねぇじゃん。……ねぇ、イタイのと、キモチイイのと、どっちがいーい? 選ばせてあげる」





「どうです? その後」
「……オキアミちゃん、すげぇしぶとい」
「監禁は無理でも、離れなくさせる方法ならいくらでもあるでしょう?――あぁ、惚れた弱みですか。やはりフロイドは優しいですね」
「そういうこと、いちいち言わなくていーから」
「僕の方は、いつでも準備は整っていますよ」
「……やっぱりさぁ、オレよりジェイドのほうがヤバいよね」
「おや。ふふ、恐縮です」


R2.9.20


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