「オキアミちゃんと、もっとエッチなことをしたい」

 刻は魔法薬学の授業中。魔法薬がグツグツ煮える鍋の前。彼にしては珍しく、ひどく真剣な表情で健全な男子高校生であるフロイドは考えた。あまりに無知で無防備だったところにつけこんで、ベロチューまでしたフィリアのことについて考えた。
 一度手を出したらクセになった。あれからフロイドは気分がいい時、フィリアを見かけるたびに人気のない場所へ連れ込んでは彼女に思うままキスをしていた。体格差があるため、一見フロイドの好き勝手にしているように見えるが、フィリアは怖がって従う性格ではないし、身体能力がずば抜けて高いのに逃げないので、まぁ同意であろうとフロイドは思っている。
 フィリアは見た目も中身も子どもっぽいが、フロイドと年近い女である。フロイドの舌が口内を蹂躙している時にあがる鼻にかかった喘ぎ声、赤面した頬に蕩けた表情、潤んだ瞳は男の劣情を確かに煽る威力をもっていて、回数を重ねるごとに冒頭の言葉がフロイドの頭を占めるようになっていた。

「でもオキアミちゃん、マジで小さいんだよな。オレの入れたら壊れちゃいそ〜」

 己の最大サイズと、己の腰程度の身長であるフィリアを想像で比べてみる。全部はモチロン入らないっていうか、そもそも先っぽすら入るだろうか? フロイドは人魚である。よく身長が高いねと言われるこの人間の姿だって、本来の姿に比べたらかなり縮んだほうであった。

「ウーン。待つの飽きたし、痛いのはイヤだし。なにかイイ方法ないかなぁ」

 魔法薬は大成功しているのにウンウン悩み続けるフロイドへ、周囲は不思議に思いつつも声をかけない。触らぬフロイドに祟りなし。絶対に目を合わせるな。
 そして長い腕を組み考え続けて数十分後。ついに天才肌である彼は思いつき、鍋に新たな材料を放りこんだ。


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