「雑用としてここにおいてあげましょう。その代わり、一人と一匹の面倒をシッカリ頼みましたよ!」
「マジか」

 ユウはオンボロ寮に雑用として住む代わりに、暴れまくる獣と正義のヒーローマニア少女の面倒を押しつけられた!

「う〜ん。回廊が出せなくなってる……」
「さっきからずっとなにしてるの? その剣、キーブレード、だったっけ?」
「そう」
「さっき、たぶんレベルリセットされてるって言ってたけど、どういう意味?」
「身体が新しい環境に慣れるために弱体化すること。なるのは初めてだけど、いろんな理由でたまによくあるってマスターが言ってたから、たぶん」
「ヘェ。たまによくあるんだ(それってヤバいんじゃ? なんで平然としてるんだろ)」





「メインストリートの石像。いったい誰なんだろう?(マ、石像になってるってことはこの世界の過去の偉人なんだろうな)」
「私、ひとり知ってるよ」
「さっきから睨んでる、この角生えてる人?(異世界をまたぐ有名人なのか?)」
「テラが闇に落ちたってウソ言ってきたんだ!(プンスコ)」
「ハ? 知り合い? ってかテラって誰」
「だから、ヴェンと一緒に倒した!」
「エ、倒した? ってかヴェンって誰(ウソを言われたから倒したって? こわ)」





退学を逃れるために魔法石を回収しにいったら、化け物と遭遇。

「ゼェゼェ……なんとかここまで戻ってきたけど……やっぱりフィリアはまだ来ていないな」
「クソッ、おい、さっさと戻るぞ!」
「何言ってるんだぞ、エース。オレ様、嫌なんだゾ!」
「バッカお前、さすがに自分より小さな女の子に戦わせて、置いて逃げるわけにはいかねーだろ!」
「そうだな。戻ろう!」
「デュースまで。アイツ、鏡の中でめちゃくちゃ強かったし、心配いらねーんじゃないか?」
「レベルリセットされてるって言ってたし、心配だ」
「ユウも同意見か。仕方ねぇな……」



「おい、いたぞ。あそこ!」
「血まみれで倒れてる! このままじゃマズイぞ!」
「みんな、さっきオレの言った通りに!」
「おう!」



 なんとか協力して弱体化させるも、決定打に至らず。



「しぶといな。まだ動くぞ!」
「オレ様もう疲れたんだゾ……もう逃げるんだゾ!」
「逃げられる距離じゃねーよ!」
「あともう少しなのに」
「――光よ!」

 光線が当たって、今度こそ化け物を倒す。ユウに抱えられてたフィリアが目を覚まし、キーブレードから光を放ったらしい。

「やったんだゾ!」
「みんな、どうして戻ってきたの?」
「どうしてって。女の子ひとり置いて逃げるとか、んなダセーことするわけないだろ」
「ああ。だが、いいガッツだったぞ。感動した」
「褒めるなっつの。下手したら死ぬところだったんだぞ」
「全く、俺さまみたいに強くねーくせにムチャしやがって……」
「とにかく、無事でよかった」
「うん……ありがとう!」
「そのケガ、大丈夫――じゃないよな。すぐに戻って手当てしねーと」
「ああ。保健室まで僕がおぶって行こう」
「ヘーキだよ。いつものことだし」
「ハイハイ。年下は黙っておんぶされてろっての」
「なるべくゆっくり歩くけど、揺れて痛んだら言ってくれ」
「アイツ、さっきは進んで一人で戦おうとしてたし、あれほどひどいケガなのに平気な顔して、慣れてるって感じなんだゾ」
「そうだね……(ただの正義のヒーローマニアの子って思ってたけど……)」


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