放課後のとある廊下
ぼけっと座っているところへケイトがやってくる

「ん? そこにいるの、フィリアちゃんじゃん」
「ケイト先輩」
「監督生ちゃんとグリム君を待ってるの?」
「待ってたんだけど……クルーウェル先生の授業で失敗しちゃって補習なんだって」
「ふ〜ん」
「ケイト先輩は、どこ行くの?」
「オレはこれから部活だよ〜。そうだ、ヒマならフィリアちゃんも一緒においでよ。けーくんのかっこいい演奏を聞かせてあげる」
「うん!」

廊下を進む

「ケイト先輩の部活って?」
「ん〜? 軽音部だよ」
「けいおんぶ?」
「あれ、知らない? 楽器で演奏する部活ってこと」
「ん〜。シンデレラの舞踏会で見たものとおんなじかな……?」
「んー舞踏会の演奏とはちょっと違うかも。けど、フィリアちゃんって舞踏会に行ったことあるんだ。そういえば、NRCに来る前は世界中を旅してたって言ってたっけ」
「うん。キーブレード使いだから、たくさんの人を笑顔にするために旅は必要なの」
「へー。オレもこれまで結構あちこち引っ越したけど、フィリアちゃんの顔の広さには負けるかも」
「えへへ、みんな大切な友だちだよ!」
「(幸せそうに笑ってるなー)でも、あっちの世界にはマジカメとかないんだよね? どうやって連絡をとってるの?」
「えっとね、心と心の繋がりで、困った時は力を貸してもらったりするよ」
「え。心と……なんて?」
「離れていても、互いに想い合っていれば、心は繋がっているから」
「──恋人でも家族でもない。たった一時、旅に立ち寄った間だけ一緒にいた友達でしょ?」
「友達に、時間の長さなんて関係ないよ」
「……フィリアちゃんって本当に純粋だねー( やっぱり君もオレとちがうね)」



R3.4.6


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テーマ「人外ファンタジー」
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