※ラギー先輩と草摘み

【くさむらから やせいの ラギーが あらわれた!】

「ラギー先輩だ〜。草むしりしてるの?」
「あぁ、フィリアちゃんか。草むしりじゃなくて、食える草を摘んでるんスよ」
「野草を食べるの? どうして?」
「ちょっと小腹がすいたけど、購買で買うわけにはいかねぇから。ここはライバルがいないから好きなだけ雑草を集められて食い放題ッ。シシシッ!」
「ふぅん。草ってそんなにおいしいの?」
「う……そりゃあ肉やドーナツに比べたら、進んで食べたいもんでもねぇけど。一番大事なのは腹が膨れること!」
「そっかぁ。ねぇ、ラギー先輩、私も摘むのお手伝いしたい!」
「へ? そりゃあ、手伝ってくれるなら俺はありがたいけど、バイト代なんて出せねぇッスよ」
「お金はいいよ。どの草が食べられるのか教えてほしいの」
「それならいいけど……なんでそんなことが知りたいっスか? いくらオンボロ寮でも食いもんには困っていないと思ってたけど」
「オンボロ寮じゃなくて。異世界で人じゃない世界とか、食べ物がない世界に行った時、おなかが減って死んじゃうかと思ったから、草のこと知っておきたいなって思って……」
「ヘェー(ただの平和ボケした能天気かと思ってたけど)アンタも、けっこう苦労してきたんスね……」





※リリア様のキーブレードの勇者討伐伝説

フィリアが飛行術の授業にひっついてキーブレードライドで飛び回って遊んでいるところに、リリアが通りかかる。

「おぉ、その鍵は──なつかしいわい」
「リリアちゃんはキーブレードを見たことがあるの?」
「おうとも。あれは数百年前になるかのう。戦争中、とある拠点を奪い合っていたときに、その鍵の持ち主と敵対してな。派手にやりあったものよ」
「数百年前のキーブレード使い? すごーい!」
「その鍵の勇者は地を割り、天を裂き──とにかくとんでもないヤツでのう。わしたちの戦いは数日にも及んだ──」
「ごくり……」
「しかし、話のわかる気のいい奴じゃった。決着がついた後は、我らは良き友となったぞ」
「よかったぁ!」
「そのあと、あやつは遠くに旅に出なければならないと言ったのでな。友情の証としてわしの手料理を振舞ってやったんだが──それから一度も会えておらなんだ。今頃どこで何をしているのやら……」
「……その人、ちゃんとエスナ使えたのかなぁ……」



R3.3.8


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