【イグニハイド】

※兄さんの部屋とエッチなお姉さんが載った雑誌

「兄さん! 新しい友達ができたんだ、紹介したくて連れてきちゃった」
「こんにちはー!」
「ヒィ! 男子校なのに女の子? それに圧倒的陽キャの気配!」
「フィリアさん! 兄さんの部屋、いまちょっと散らかってるから、足元に気をつけてね」
「うん……ん?」
「(アッ! 青年向け美少女攻略ゲームが表紙の雑誌が出しっぱなしだった。って、めちゃくちゃ見られてる!)」
「これ……」
「ちがっ、拙者はただその雑誌に好きなゲームの情報が載ってたから買っただけであって、表紙のゲームはやってないであるからして誤解してほしくないというか(初対面の年下の女の子にエロゲしてる男だと思われてる!? ツラ)」
「この表紙の人、少し、アクアに似てる……」
「フィリアさん。アクアさんって?」
「私の大切なお友達で、お姉さんなの。ずっと一緒にいたのに、闇の世界ではぐれちゃって」
「そうなんだ……」
「(エッ、雑誌ひとつで、このしんみりとした雰囲気は一体……。拙者は一体どうすれば)」
「僕の検索システムでも、その特徴のアクアさんって女性は見つからなかった。兄さん、何とかしてあげられないかな?」
「エッ!? いや、さすがに異世界のこととなると、簡単になんとかできるとは言えないよ(オルトの頼み事はなるべく叶えてあげたいけれど、無責任なことは言えないし!)」
「大丈夫だよ!」
「ヒッ!(突然復活したぞ)」
「アクアたちとは心で繋がってるから。信じていれば、絶対にまた会える」
「そっか……うん、僕もフィリアさんがアクアさんと再会できるように祈ってるよ!」
「えへへ、ありがとう!」
「(うわ〜〜心で繋がってるだって? 今時、エレメンタリースクールでも言わないぞ。純粋だな)」
「あのね……この雑誌、いらなくなったら譲ってもらってもいい?」
「(確かあれは、巷の男子から絶賛大人気の、巨乳で色気と可愛げと凛々しさと可憐さと女らしさが神バランスって評価された最強お姉さんキャラだったな。まさか、本当にこんな美人がこの世にいるとは信じてなかったけど)」
「兄さん、あの雑誌を買ったのって先月だったよね」
「ああ、必要な情報はもう見たし、あげるよ。――ただし、ここでもらったってことは内緒にしてね……(強がってるけど、お姉さんが恋しいんだろうな。あんなに嬉しそうにされると、鬼畜調教エロゲのキャラだよ、なんて言えないよな……)」





※破壊神と胃がピンチな人

「オルト、遊ぼう!」
「あっ、フィリアさん! うん、いいよ。今日は何して遊ぼっか?」
「今日は、組み手がしたいな」
「わかった。モードを切り替えるから待ってね」
「私も鎧、着ようっと」
「コラーーッ!」
「アッ、学園長」
「あはは。見つかっちゃったね」
「きみたち、先週、校庭に巨大なクレーターを作ったばっかりでしょう! その前は東塔を破壊! 学園内で戦闘は禁止と言っているのに。全く、ユウくんはいったい何をしているんですか!」
「ユウなら、グリムがエースとケンカして廊下の窓ガラス全部割ったから、罰則で教室の窓ふきしてるよ」
「……ユウくんの胃に穴が空く前に、イイ子にしてくださいね」


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