新しい服を貰って、ブレイヴフォームを覚えてから、ソラはピンチになる度にそれを活用していた。
たくさんのハートレスに囲まれ、ドナルドが大けがをしたときだった。グーフィーを呼び、ソラが力を解放する。
「オレに力を――!」
服が輝き、光の力で周囲のハートレスを吹き飛ばす。黒い服が眩しい赤に染まろうとした瞬間、その姿がどろりと闇色に包まれた。真っ黒な姿になったソラが、手をつきながら地面を駆けて、周囲のハートレスを爪で割き、目にも止まらぬ速さで繰り出される格闘術で潰してゆく。
あまりの豹変ぶりに、戸惑うことしかできなかった。ハートレスたちはソラの放った闇のオーラの攻撃で、残らず消し飛んでしまったが、未だソラが元に戻る様子はない。
闇のオーラを立ち昇らせながら、まるでピュアハートレスのように髪も肌も真っ黒で、金色の瞳だけを爛爛としているソラ。ハァハァと荒く息をしているが、ひとことも言葉を発さない。
「そ、ソラ……?」
ソラはこちらに気がつくと、ジッと食い入るように数秒見つめ、獣のように跳んできた。頭で認識するより先に、押し倒された衝撃に悲鳴をあげていた。
草むらの上で起き上がろうにも、しっかり押さえつけられている。こんな乱暴なこと、ソラらしくない。
「ソラ! どうしちゃったの?」
変身の影響か、長く鋭い爪が掴まれた腕にくいこんでくる。力も強く、ビクともしない。
ソラがくわっと口を開いたとき、鋭い牙が見えた。そのまま首筋に噛みつかれ、痛みに震える。
「いたいっ!」
食いちぎられはしなかったものの、そのままベロリと舐められたとき、ぴりっとした痛みで血がにじんでいると分かった。
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イイネ
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