リクとアグラバー観光。リクに意識してほしさで、大胆な露出の踊り子の服を着て見せた。
「どうかな?」
リクがポカンと口を開いてこっちを見ている。ノーリアクション……。
「おーい、リク?」
ハッとしたリクがキーブレードを抜いたのでギョッとする。リクはキョロキョロ周囲を警戒した。
「また誰かに無理矢理そんな格好をさせられたのか?」
「またって……自分で着たんだよ。リクに見てもらいたくて」
リクは落ち着いたのか、慌ててキーブレードをしまった。
「そ、そうか。よく似合っている」
「本当?」
「本当に思ってるさ。どうして疑うんだ?」
リクの視線は顔ばかり。全く衣装を見てくれていない。顔色も変わらないし、照れてもくれないし。すごく余裕がある感じ。
「リク、なんだか慣れてるって感じなんだもん」
「えぇ? 慣れてなんかないぞ」
なお疑って見つめていると、リクの視線が何かのスイッチが入ったかのようにすっと変わった。
「わかった。そこまで疑うなら、本当はどう思ってるか教えようか」
まさか、リク、やっと伝わった……? と期待したら、腹が冷えるぞとかわいいケープをかけられた。
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