今日はソラと別行動。アグラバーの民族衣装らしい服を着て買い物を楽しんでいたら、いつも楽しい時間に水を差す男。若き頃のゼアノートが現れた。
 彼は品定めのような目つきでジロジロこちらの恰好を見て、フンと笑う。

「おまえ、それがなんの服か分かってて着てるのか?」
「え? この世界の女の子の服でしょ?」

 はぁ〜とため息を吐かれる。なんだかムカツク。

「ちょっとこい」
「イヤって言っても強引に連れて行こうとするの、やめてよ」

 ブーブー言いながらも、結局ついて行くハメに。
 踊りが見られる店だった。民族衣装を着たお姉さんたちがたくさん現れ、腕や腰をクネクネさせて踊っていた。芸術でもあり、エロスもある美しさ。
 踊りが終わり、ポーッとしたまま店を出て別室へ移動した。お姉さんたちキレイだったな〜なんて余韻に浸っていた。

「何の服か理解できたか」
「分かったけど……」

 おまえにその服は似合わないって言いたいワケ? 着るだけならいいじゃない。とケンカ腰でゼアノートを睨んだら、彼は部屋の中で一番豪華な椅子に座った。

「じゃあ踊ってもらおうか。踊りはさっき見て分かったろ?」
「なんで!」

 想像の斜め上の要求に叫ぶと、彼はにっこり笑った。

「ソラのところへ戻れなくてもいいのか?」
「うぐぐぐぐ……!」

 こんのイジワル男〜〜!
 数分の睨みあいの後、結局、下手ながらも記憶を頼りに踊ってあげた。ゼアノートはからかってくるけれど結局喜んでくれるので「まぁ、いっか」と、いつもほだされてしまうのであった。




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