守る、といえば聞こえがいい。
 ピンツはアイスの棒を駅のゴミ箱に放りながら、先ほどの友人たちのことを思い出していた。
 いつもフィリアの後ろに執事みたいに控えていたリク。自分たちは友人として睨まれるまではしないものの、フィリアと話す時、遊ぶときに、ヒタと向けられる彼からの冷静なまなざしは、ヘビに睨まれたカエルのような気分であった。恋愛対象として見つめたりしていたら、排除されていたかも。
 先ほどフィリアが去った後のリクの殺気を思い出すと、ぶるっと身体が震えた。この騒動で彼の片想いは終わるため、今度からは恋人として、堂々と彼女に近づく他の男を牽制してくるんだろうなぁと想像し、はは……と乾いた笑いが出る。
 確か、昔、ちょっと離れていた隙に他の友だちを作っていたソラに対しても激しく嫉妬してたとか聞いたっけ。
 もしフィリアが別れ話なんて持ち出したらどうなるだろう。いや、別れ話何て持ち出せないくらい、いろいろ手を回すんだろうな。

「ピンツ、早く来いよ」

 ハイネとオレットが駅の自動ドアの前で手を振っているので振り返す。
 まぁ、フィリアが幸せそうならいいか。
 ハイネに「おせーよ」とつつかれたので「ごめん、ごめん」と笑い返した。






2.4.23




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