いつものようにロビーへ行くと、珍しく機関員全員が揃っていた。

「よぉ、ロクサス」
「おはよう、ロクサス」

 俺に気づいたアクセルとシオンが近づいてくる。

「おはよ。なぁ、みんな任務はどうしたんだ?」
「どうしたもこうしたも……アレ」

 二人の視線を辿ってゆくと、サイクスの目の前でフィリアが何かを訴えていた。フィリアはこちらに背を向けているからどんな表情かはわからないが、サイクスはいつもの仏頂面で「だめだ」を繰り返している。機関のみんなはサイクスが独占されているため、任務に出られず、ただ二人の戦いを遠巻きに眺めているといった状況のようだ。

「いったい、何を揉めてるんだろう?」

 とにかく、サイクスがフィリアに意地悪しているなら助けないと。早速二人のもとへ行こうとすると、アクセルに肩を掴まれ止められた。

「待てって。ゼムナスが来た。もう決まるだろ」

 あ、本当だ、珍しい。
 ゼムナスが、闇の回廊の中から現れた。ロビーにいる姿は初めて見る。
 ゼムナスがサイクスに二、三言なにかを言うと、サイクスが目を閉じて大きくため息を吐いた。

「鶴の一声だな」

 シグバールの低い笑い声が聞こえた。
 サイクスがいつもの場所から撤退してゆく。勝利したフィリアは、サイクスがいた場所の窓ガラスへ一枚の紙を貼り付けた。それは見覚えのある文面だったが、クレヨンでカラフルに装飾されている。

“DAY OFF TODAY !!”

――ということで、今日はみんなでディズニータウンへお出かけです!」

 ウキウキとした声が、ロビーに響き渡った。



To be continue...






2012.5.4


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