俺たちがいつもいる城とは真逆で、明るい色で埋め尽くされた賑やかな世界・ディズニータウン。空にポワポワ浮かべられた風船を見上げながら、俺はフィリアと二人きりで歩いていた。
なぜ二人っきりなのかというと、この世界に来るなり、フィリアの指示でいくつかの班に分かれたからだ。
指定された人と行動するよう命じられるのはいつも任務でやってることだし、フィリアと一緒に行動することに全く不満なんてないけれど……。
「フィリア。どうして班分けしたんだ?」
「ん?」
「俺、アクセルやシオンとも遊びたい」
すると、フィリアはずっと見つめていた地図から目を離して、俺を見てにっこり笑った。
「だいじょうぶだよ、ちゃんとアクセルやシオンとも遊べるから。ただ、ちょっと人数が多過ぎて――そう、ちゃんと適材適所にしないとね」
「てきざい……何?」
「ちゃんとその人に合ったアトラクションで遊んでもらいたいってこと。ロクサスは特別だから、今日は私と行動してね」
「わかった」
「じゃあ、まずはここに入ろう」
「おう」
指示されるまま、俺はフィリアと赤いアーチの入口を構えたアトラクションの中へ入った。
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