※いつものように捏造だらけ
※距離感が理解できていないので後で物凄く修正するか消します




意味も無く毎回目覚まし時計をセットしては鳴る前に起きる。そんな日々を繰り返して、今日。目覚まし時計が鳴る事も無く起きたいつも通りの日々。いつも通りに朝食を軽く食べて顔を洗って登校する。いつも通りの日々。

ただ今日が12月20日、自分の産まれた月日というだけで何ともない日々だ。敦にも言われたが自分は特にそういう物に対する興味はない。ああ、でも。

(中学時代は、違ったな)

皆でパーティーも開いたし、皆が離れていった頃の中学最後の頃は敦がケーキを買ってきて二人で祝いをした。(半分以上、というかほぼ全部敦が食べたのだが)真太郎もおしるこを奢ってくれたし、それでも自分の心が少し和らいだのは覚えている。だが今ここにケーキを持ってきてくれる敦はいない。秋田は遠いものだな、と柄にもない事を少し考えたりした。

「主将?」
「…何だ」
「やだ、怖い顔しないでよ。話しかけても返事がなかったのはそっちじゃない」
「呼んだのか」
「何度もね」

それは悪かったな、と付け足して話を聞いたがどうでもいい雑談だった為に即効に打ち切った。しかし丁度いい気持ちの切り替えができたかもしれない。今日はいつも通りの日々なのだ。





放課後の練習も普通に終え、あとは帰宅して夕食を食べて風呂に入り寝るだけだ。ほら、いつも通りじゃないか。意味も無く息を深く吐いてロッカーを閉めた。携帯の履歴に紫原敦の文字はない。


「…でさあ」

ざわりと後ろで声が聞こえる。会話に参加する事はあまりないが相槌を打つぐらいはするしちゃんと聞いてもいる。たまにちゃんと聞いているのか、と怒られる事もしばしばだが。こいつらには僕の誕生日を知らないし教える気もない。教えた所で何になるのだと思ったからだ。そして今日もいつも通りの日々が過ぎて行くのだ。





「10時、か」

携帯の履歴に紫原敦の文字は、ない。あんな電話をした後であるし当たり前なものか、いやそれとも嫌われてしまったか?考えても意味のない事だという事は理解しているのに頭の思考は止まる事を知らない。こんな時は早く寝てしまおうかと読みかけの本を閉じて布団に入ろうとした、その時静かなこの部屋に響くチャイム音が鳴った。今の時間に誰だ?と思いつつ来客を無視するわけにもいかず。面倒だと思いながらも玄関まで出て行った。

「誰ですか」
「宅配便です」

今の時間にか?いやありえないだろう。そもそも誰からだ。…見てみなければ分からないか、と玄関を開けた。不審者ならば撃退すればいいだけの事だしセキュリティーは万全のはずだ。

「赤司征十郎様ですよね」
「はい」
「御届け物は、こちらです」
「誰からですか?」
「開けてみたらどうですか?」
「…」
「…」
「…まあ、入ったらどうだ、背の高い宅配便さん?」
「……知らない人を家を容易に信用しちゃだめって言ったのは赤ちんじゃなかった?」
「どうやら知らない人では無いらしいからな」
「赤ちんつまんない」
「せめて髪色でも変えてこい」
「えー」


「鼻と頬が真っ赤じゃないか」
「秋田で鍛えられてるからへーきだし」
「そう言いつつ布団から一歩も出ていないが?」
「赤ちんの匂いが好きなの」
「嘘ばっかり」

本当だし、と頬を膨らませて僕の布団へとより一層包まった姿は素直に可愛いと思って頭を撫でた。ああ、この感覚は久々だ。胸が満たされながらも敦が持ってきた"御届け物"へと視線をやる。それから敦を見ると「開けてみてよ」と言われたので素直に開けてみる。中に入っていたのは、手紙、だ。

「…なんだこれは」
「色でもう分かると思うけどねー」

確かに目の前の手紙はとても誰が書いたのか分かりやすかった。まるで虹だなと呟きながら一番上にあった水色の手紙へと手を伸ばす。宛先を見るとそこには黒子テツヤと書いてあった。それを一旦箱から出して床に置いてからまた別の手紙へと手を伸ばす。黄色は黄瀬涼太、青色は青峰大輝、緑色は緑間真太郎、桃色は桃井さつき。それぞれ個性の出た字を見ていると自然と笑みがこぼれた。懐かしい。素直にそう思ったのだ。

「読まないの?」
「読むよ、ちゃんと」

ちゃんと一つずつ、綺麗に開けてから内容を一つずつちゃんと頭に入れながら読んでいく。テツヤは相変わらず礼儀正しいし、涼太は何だか涼太らしいと言えばいいのか、女子を連想させるし、大輝は何ともシンプル(大雑把と言った方が正しいのか)にもちゃんと内容は詰まっていると分かる。真太郎は堅苦しいと感じながらもちゃんと誠意が伝わってくる。桃井は涼太とテツヤを足して割った感じが出ていて彼女らしさが詰まっていた。そして全てに共通していた単語にも気になった部分がある。それは、全部の手紙に敦の事が書かれていた事だ。

それにしてもびっくりしたッスよ!赤司っちの誕生日の前の日に電話で絶対赤司っちに電話しないで〜とか言うんスもん。もしかしてイジメッスか!?って思ったら次は手紙書けって言うんスから〜!次の日紫っちが家に来たのも驚きッスよ! って事で赤司っち誕生日おめでとーッス!!俺からのプレゼントは紫っちで☆

あーそういえば紫原が何かすげー慌てて珍しかったな。理由を聞いたら赤ちん!って言ってたぜ。ほんとお前あの紫原をこんな笑顔にさせるって何なんだよもはや恐怖だわ。まあ、誕生日おめっとさんー俺からのプレゼントは紫原でいいか?つか紫原以外からこう書けって言われうわなにすてめ

それにしても紫原に言われた時は驚いたのだよ。急に手紙を書けなどと、おは朝のラッキーアイテムを調達するより難しかったのだよ。結局皆で集まって書く事になってしまったしな。全く、こっちは多忙だというのにいい迷惑なのだよ。紫原が急に配達業者さんの服貸して!と言ったのも全部これの所為だったのか。とにかく、誕生日おめでとうなのだよ。人事を尽くした結果、紫原がお前にとって最適の贈り物だ。

あ、そういえばね!ムッくんがすごい頑張ってたんだよ〜!私、今年はもう前みたいにパーティーできないし、メールとか電話でおめでとうだけっていうのも何か寂しいなあって思ってたから。でも、まさかムッくんが赤ちんのサンタさんになる!とか言うなんて思いもしなかったなあ。やっぱり赤司君愛されてるね。お誕生日おめでとう、赤司君。皆で考えた結果、皆からムッくんをプレゼントする事にしたよ!有難く受け取ってね☆

たぶん皆さん同じ内容を書いていると思いますが、これは紫原君が提案したんですよ。驚きですよね。結局火神君の家で一度集まる事になってしまったわけですけど、その間も紫原くんは喜んでくれるかなあと微笑ましかったです。赤司君は皆に愛されていますね。普通、元主将の為に違う県などから手紙を書く為だけに集まるだなんて、しませんよ。誕生日、おめでとうございます赤司君。僕たちからのプレゼントは紫原君です。君にとってはきっと最高のプレゼントでしょう?

「…ふふ」
「どんなんかいてあったー?」
「敦」
「んん?」
「おいで」

軽く手招きをして腕を広げてやるとちょっと一瞬戸惑ってからおずおずと敦も手を広げてぽすんと僕の胸へと頭を預けた。今は僕が立っていて、敦が座っているから僕の方がほんの少し背が高い。そのまま頭に軽くキスをして撫でてやると気持ちよさそうにぐりぐりと僕の胸に頭を押し付ける。でもすぐにどーしたの?と疑問の声が上がった。

「プレゼントは、有難く貰わないとね」
「んん……?どーゆーこと?」
「敦が僕にとっての最高のプレゼントだよ」
「ええー?皆からのプレゼント、箱に入ってるし」
「いいんだ。有難う、敦」

寒かっただろう、一人で此処まで来るのに大変だっただろう、考えるのをいつも面倒くさがるお前が此処までしてくれたんだな。抱き締めながら色んな事を思った。久々に触る敦の髪は僕が昔敦の髪を撫でるのが好きだと言ったからか、昔と感触は変わってないし、久々の敦の匂いも全部、愛おしい。

「どんなプレゼントよりも、僕は敦が良いよ」
「…赤ちん、俺もね、本当は誕生日ってのをこーじつ?にして赤ちんに会いにきたかったの」
「ああ」
「たんじょーび、おめでと赤ちん」
「ああ、有難う」



「……ところで敦」
「なあに?」
「学校は?」
「………」
「学校は?」
「…や、…やすんだ」
「帰りは」
「……そ、そこまで考えてなかったし…」
「……敦、」
「だ、だって俺!……うん…ごめんなさ」
「学校には僕が連絡しておく。今週はゆっくりしていくといいよ」
「え」
「…少し嘘ついた。僕が敦と一緒に居たいだけだ。駄目か?」
「ぜんぜん!!いいし!俺もそーしたいし!!」
「久しぶりの敦だし、な」
「……(あ、ヤバい)赤ちんちょっとま」
「誕生日終了まで、あと2時間だ」
「ま、」
「たないよ」

次の日ちゃんと洛山の皆にも祝ってもらいました。


121220
赤司様誕生日おめでとうございました!!いや本当はちゃんと誕生日前日に用意していたのに急にネットがつながらなくなってここまで…くそ…申し訳ない悔しいこんな駄文で赤司様を祝おうだなんて頭が高いと言われてもしかたない。長い

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