※申し訳ない事に少しお下品




「紫原なんで逃げるんだ」
「ああ赤ちんやだやだ!やだってば!」

ずんずんと迫ってくる赤ちんに俺も後ずさりをするけど後ろはロッカー、隣は壁、前には赤ちん。終わった。理解しても一応いやだいやだと首を振りながら赤ちんこないで!と必死に叫ぶけど赤ちんはにこにこといつもと違う笑みを顔にくっつけてこっちに寄ってくる。その手には、

「赤ちんまずそのナース服と変な注射しまってよ!!」
「やだなあ、俺は紫原とお医者さんごっこをしようと思ったんだよ?」
「しねーか、ら!!」

にこにこと未だに笑みを浮かべる赤ちんが怖い。物凄く怖い、逃げ場がないこの状況も、このままいったら絶対にやられる(どちらの意味でも、)のも全部怖い。何だか目の前が滲んできた。縋る気持ちで赤ちんと呼んでみるけど赤ちんはじりじりと距離を縮めるばかりだ。「…紫原」す、と赤ちんがへたれこんでる俺に対して目線を合わせながらしゃがむ。いつものような赤ちんに少しばかりの希望を抱いた。するりと頭を撫でられやっといつもの赤ちんに戻ったんだと、そう確信して「赤ち」ガッ。「え」

「さあ、敦。俺の言う事は絶対だよ」

ずるりと降ろされそうになるズボンを必死に掴みながら必死に声にならない悲鳴を上げる。ついに泣きだしてしまった俺はプライドとか羞恥心とか全部捨てて赤ちんに泣きながら縋りついた。ロッカールームで始めたら誰がいつ来るかも分からないしそもそもナース服とか注射とか本当勘弁してほしい。赤ちんはいつからこう、…アブノーマルな方にいっちゃったんだろう。

「赤ちんやめてってばぁ…っ!」
「泣いてる敦も可愛いよ、さあ大人しく脱ぐんだ」

ずるり、また一つズボンが下がる。やだやだともう一度叫ぼうとした所で唇を塞がれた。その間もずっと涙はぼたぼたと出てくる。力が抜けるのと同時に唇が離れて底知れない恥ずかしさと意味が分からない行動の所為で俺の頭は完全に爆発した。

「やだ、って言ってんのに、赤ちんの、ばかぁ…っうわああん!」

まるで子供のように泣く俺に赤ちんは一瞬呆気にとられたように見えた。目を擦りながら泣き続ける俺に赤ちんは少しでも良心が戻ったのかと思った。ぎゅって抱きしめてくれた時点でもう意地悪な事はしないって思った。違った。

「敦、良い事を教えてあげるよ」
「うえ…?」
「俺は泣き顔にそそられるらしいんだ」

な?と言われるのと同時に赤ちんの体を見て俺は思った。赤ちんは、変態だ。


駄目、絶対。


121216:リクエスト

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