※会話文


「はい」
「何だこれは」
「手紙だよ」
「それは分かるが」
「らぶれたー」
「………紫原」
「うちのクラスの子からだよ」
「ああ、なんだ」
「…読まないの?」
「ああ」
「なんで?」
「読む必要が無いと思ったからだ」
「ふうん、…あ、捨てちゃうんだ」
「応えられないのなら読む必要も無いからな」
「あったら好きになっちゃうかもしれないのに?」
「はは、ありえない」
「赤ちん」
「何だ」
「それ、俺からのだよ」
「………」
「そんな急いで立たなくてもいいよ。じょおだん」
「……紫原、心臓に悪い冗談はやめろ」
「ごめんねー」

赤ちんにとってそれは心臓に悪いもので応えられないものだとしたらおれはそれを冗談として捨ててしまうから。

「あと、赤ちん」
「ん?」
「名前ぐらいはちゃんと見てから、断った方がいいよ」
「…そうだな、後で言われるのは紫原だしな。わかった」
「ん、じゃあ俺帰るね」
「ああ」

(紫原敦美って名前を見てちゃんと断ってね。)


121014
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
- ナノ -