「…いや、どう考えても俺が上だし」
「何言ってるんだ紫原?俺の言う事は絶対だろう?」

夜9時、恋人同士、ベッドの上。誰がどう考えても甘い雰囲気を出すこの状況下。この二人は普段の二人からは想像もつかない真顔で真剣に睨みあっていた。言っておくがこれは初夜だ。二人にとって初めてのベッドの上である。なのにこの状況になった理由とは何か、それはまさに上と下の戦争。手早く言ってしまえばだれが突っ込むかの話だ。紫原は当然体格差もあり俺が突っ込むだろう、と思っていたのと同時に赤司は紫原を抱くのは俺だ。と結構前から今の今まで思っていたので譲るにも譲れない。そうして睨み合ってはや10分。ついに行動を開始する。

「…敦」
「ん、え」

ばさり、紫原を赤司が押し倒す。まさか行動に移るとは思っていなかった紫原はきょとんとしたが、すぐに抵抗をする。「あか、ちんが俺に力で勝てるとか思うなし!」ばっ、と起き上がろうとした、そう、したのだ。しかしその瞬間赤司が紫原に熱い口づけを落とし紫原は力が無くなっていく。ここまできたらもう赤司のペースだ。紫原は本格的にヤバイ、と思い始めているが、まだ希望はあると思っていた。…そう、思っていたのだ。

「あかち」
「敦、…抱かせてくれないか?」

今更だが言っておこう。紫原は赤司が大好きだ。そして赤司はとても整った顔をしており、声もいい。後は分かるだろうか、紫原は落ちた。思わず胸がきゅうっと締め付けられるような感覚で「(あー、…もういいや)」と思ってしまったのだ。希望なんて言葉は明日の紫原のお菓子にでも変えておこう。そこからたっぷり優しく愛された事によりもうやだ赤ちんきらい状態までなった紫原を赤司が優しく「もう一回」と笑顔で言うまであと4時間ほど。


たべちゃった。


121011
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