自己演出で終末



ぽたぽた。

「ね、痛い?」

ぽたぽた。

「いたい?」

鮮やかな赤が白い床に落ちる。その光景はまるで、キャンパスに落とされた絵の具のようだった。 どうすることもなく、ただぼんやりと筆から垂れていく絵の具。そんな悲しい宿命を背負った彼らが、つくり出したそれはデタラメで、醜い。酷く歪んでいる。

「先生。」

呼びながら、私の手に目をやると、真っ赤に染まっていたそれが、所々どす黒く澱んでいた。辺りには独特の臭いが、やんわり、ぬったりと広がって。

その臭いに酔い始めた時に、一つの異変に気がつく。私も先生も表情乏しいから、なんともいえないし、確証はないんだけれど、先生は悲しそうな顔をしている。あと、その目にうつった私もなんだかよく分からない顔をしてた。

「悲しいの?」

私は先生が大好きなのに、なんで伝わらないんだろう。確かにそこに先生の姿はあるというのに。どうして。どうして先生には私の想いが伝わらないの。

「私ね、先生が好きよ。大好きなの。」

だから、そんな顔をしないで。

泣けない私の代わりに、ポタポタと、延々に、赤い水溜まりに落ちる先生の涙。 先生、泣かないで。私は幸せなのだから。

「酷いことしてごめんね。」

あなたを苦しめることで確立するこの関係。無いに等しい少しだけの温もり。ただそれだけの安らぎに身を委ねてしまう。いけないことかもしれない。

「ごめんね。でも、大好き。」

けれど、今更許してもらおうなんて思えなくなってしまったの。








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ひゃぁあああ///
窓付きちゃん可愛いよぉ、歪んだ愛が可愛いよぉ。
歪んだ愛なのになんてすっきりと収まるような文章なんだ!なんか読んだあと微笑みたくなる文ですよね!うふふ。先生は相変わらず優しいよね!//
セコ窓最高っ
有川いっささん素晴らしい文章をありがとうございましたっ!これからも仲良くして下さい!!






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