約束の日になりました。
もより駅でみんなを待っていると
「のゆちゃん?こんな所で何してんの?」
声を掛けてきたのは会社の先輩のまみさん。
「まみさん、こんにちは。これからいつものメンバーでカラオケなんですよ。」
「あら、楽しそうね。」
そう言いながら前方を気にしているまみさん。
「まみさんはどこかへ行かれるのですか?」
「ええ、これから食事にね・・あ。ここです〜。」
ふいに手を挙げたまみさんの目の前には背の高い黒髪の男の方が現われた。
「お迎えが来たから行くね・・みんなによろしく!」
嬉しそうに去って行く姿を見て・・・あ、もしかしてあの人が・・藤原物産の・・泰衡さんかしら。
そうこうしている内にみんなが集合したのでカラオケルームへ行くぞ〜。
そこは最上階でワンフロアーぶち抜きの大きな部屋で、巨大スクリーンにライトギラギラのステージ、ゆったりとしたソファー・・。
そして本当にあった滑り台付のプール。
しかも今日は一日中貸切。
私達は男そっちのけで歌って、踊って泳いで・・もちろん食べて・・・。
来てよかったと思って・・ふと周りを見ると・・わぁ〜・・それぞれカップルで何やら妖しい雰囲気・・・。
私はどうすればいいの・・
そんな時だった
「待たせたな、我が妻よ。」
「はぁ?」
金色に輝く髪に紅い瞳のイケメンが何故か私を抱きしめている。
「あの〜あなたは?」
「なんだと!俺を知らない・・・まあいいだろう、俺は風間グループ社長風間千景だ。」
「あ、あなたが・・。」
「分かったら向こうに部屋を用意してあるから、そこでゆっくりしようではないか。」
何この人いきなり妻とか言ったり部屋を用意って・・・
「ごめんなさい、初対面なのにいきなり抱きついたり・・妻だのと私には理解が出来かねますので・・これで失礼します。」
いい雰囲気のみんなには悪いけど、風間さんの手を振り払ってそこから出て行きました。
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