愛しのヒジー

私は山田のゆ。


毎日職場の給湯室で同僚と他愛のない会話を楽しんでいるごく普通のOLです。


が・・・実は人には言えない秘密があったのです。


それは上司である土方部長とおつきあいしている事。


給湯室で同僚の恋バナを聞くたびに・・・私だって・・・と言いたいのですが、部長が恋人と言うのは皆が引いてしまいそうだし、何よりも彼が公私をはっきり分けるタイプなので・・・絶対に話すな言われておりました。


その一因は沖田さんあたりにからかわれたくないと言うことだと思うのですが・・。


さて今日もお待ちかねの15時になり、いつものメンバーで給湯室は大賑わい。


突然、まるちゃんが


「のゆ、今週の土曜日って空いてる?」


「うん、家でかたづけでも・・。」


「よし、暇だね・・だったら私達とカラオケに行こうよ。いつものメンバー(久雨*藤堂、水城*沖田、まる*斎藤)で。そしてなんと!今回はのゆの為にすごいイケメンを用意しました〜」パチパチパチパチ


「え、そうなんだ・・嬉しいけど・・。」


どうしよう・・私は表向き、彼氏いない歴○年でただ今募集中の看板を出している以上、無下には断れない・・。


でもな・・・この事がもし歳三さんにバレたら大変・・。


あの人って本当に焼きもち妬きなんだもの・・・私には公私を分けろなんて言っていながら、やれ総司に肩を触らせたの斎藤さんにお菓子を多く配っただのと信じられないくらいうるさいの。


だから・・・どうしよう・・。


今度は水城ちゃんが


「のゆ、こんなチャンスはないよ・・なんたって若いのに社長でさ・・ビジュアルも申し分ないし。」


「いいな、いいな」(まる、水城、久雨)三人が踊る。


あんた達が立候補すればいいじゃない・・・と思ってしまうけど・・・。


ん?待てよ・・・確か歳三さんは週末に香港へ行くんだった・・・よし!


「分かった、顔を出すだけだからね。」


「わ〜い」再び踊りだす三人。


「ところでなんでそんなにノリノリな訳?」


すかさず久雨ちゃんが


「それがね、行こうと思っているカラオケ屋さんなんだけど、シャニーズとか芸能人が多く利用する所なの。なんでもお部屋にプールが付いていたりするんだって。なかなか予約が取れなかったのをのゆの王子様があっさりとってくれたんだよね。」


いつのまにか私の王子なってるし・・・という事は私は生贄かい・・。


思う事はありありだけど・・どうせ週末は彼と会えないんだからいいよね。

だが、その判断が後にのゆさんを苦しめることになるとは・・。


[*prev] [next#]



-top-



×
「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -