「まぁまぁ、そんなに落ち込むなって。」
肩を抱いてくる新八の腕をぞんざいに外して、ビールを再び煽った。
「知りませんでした・・・。原田さんって、そうだったんですね。」
「こら、まる!傷口を広げちゃダメだってば!」
「ご、ごめん・・・。」
「そこ、素直に謝られると余計くる・・・んだけど・・・。」
机に突っ伏して、もはや顔を上げる気力も無い。
チクショウ・・・。
ずっと狙ってたのに、急に出てきた冷徹男に持っていかれるとは思わなかった・・・。
まみ・・・・・・。
チクショウ・・・!
「あーあ、左之さんが泣き寝入りなんて、ホント珍しいよねぇ。」
「総司、傷心の時くらい揶揄するのを控えろ。」
「・・・一君ってさ、まるちゃんとお似合いだよね。その傷の抉り方・・・。」
「本人気づいていないって言うのが、まるよりも厄介ですよね。」
「まーまー、今日は左之さんを励ます会なんだし、暗い話はやめにして、明るい話をしようぜ!」
「そうだよ、平助君良い事言うね!明るい話をしよう!えっと・・・・・・、ね、水城、昨日は楽しかったでしょう?」
「・・・なんでそこで話がこっちに来るかなぁ!?」
「楽しかったに決まってるよねぇ、水城ちゃん。なんたって、大好きな総司君と二人でご飯食べれたんだもんね。」
「おおおおおお沖田さん!またそうやって人のことからかって!!」
・・・・・・こいつら全員、俺の傷を抉っている事に気づけよ・・・。
「なぁ左之よぉ〜、俺は、俺は・・・悲しい!!」
「俺もだよ、新八!」
誘ったのは新八だけだったのに・・・・・・。
お前ら全員出て行け!!!
−Fin−
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