拍手をされるたび

「マジかよ!?」

平助君が、大きな目を更に大きくして叫ぶ。

私の言葉に驚いたらしい。

私、そんなに変なこと言ったかなぁ・・・?

「そ、そんなに変?」

「い、いや、変っつぅかさぁ・・・、本当に、良いのかよ・・・。」

「うん。」

即頷く私のことが信じられないとでも言うように、平助君がまた身を引く。

「ねぇ、そんなに変!?」

「いやぁ・・・・・・。」

次第に、顔を真っ赤に染め上げていく平助君に、自分の顔も赤くなっていくのを感じる。

やっぱり、言わなきゃ良かった・・・かなぁ・・・。

「だ、だって・・・、そりゃ、嬉しいけど・・・、嬉しいけどさぁ・・・。」

平助君がブツブツよ呟く。

「でも俺・・・、それだけじゃおさまらないような気がするんだけど・・・。」

最後の言葉が聞き取れなくて顔を上げて首を傾げると、平助君が慌てて首を振る。

「いや、何でもないし!」

「そう・・・?」

「ああ。」

ブンブンと首を振りながら頷いて、一度咳払いをする。

そうして、私の肩に手を置いて私をそっと引き寄せる。

「んじゃ、まずは・・・、一回・・・な?」

「う、うん。」

ドキドキする胸を押さえながら、近づいてくる平助君の顔に見惚れ、そっと目を閉じる。

「拍手」される度に、キスをしよう。

そう、勇気を出して言ってよかった・・・と、触れる唇から伝う熱とともに思う。



薄桜鬼   二次   藤堂平助

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