お正月拍手 2013
華やいだ賑わいをみせている神社の人混みの中、周りに押され潰されしながら、ゆっくりと境内へと進んで行く。
吹く風はとても冷たく、どんよりと曇る空からは、時折冷たい雫がこぼれ落ちてくる。
だというのに、雲の隙間から日の光が刺して、まるで天の御使いが降りてくるかのような幻想的な光景を演出している。
寒くてかじかんだ手を胸の前でこすり合わせながら、そんな光に見惚れていると、頭上から愛しい人の声がかけられた。
「どうした、寒いのか?」
愛しい人、左之助さんは、私をぎゅうっと抱きしめてくれた。
お陰で、周りの人からの圧迫が減るけれど、左之助さんの腕の圧迫が気になる。
左腕で隠されているけれど…、確実に右手が着物の中へと侵入している…。
「左之助さん…、手…。」
「手がどうかしたか?」
分かっているくせに、表情には全く出さずに、飄々と質問を返してくる。
左之助さんの手が、私の胸の膨らみを掴み、やわやわと揉んでいるというのに…、どうかしたか?では無い。
「こんな場所で、駄目だってば…。」
寒さで赤くなってしまった頬が、違う意味で火照ってくる。
「大丈夫だって。こんだけの人混みだ、誰からも見えねえし、分からねえって。」
確かに、左之助さんに包まれてしまって、何をされているのかなんて分からないだろうけれど…。
「恥ずかしいから、やめて…。」
「新年の一日目から会えたんだ。一年の計は元旦にあり、だろ。今年もいっぱいお前を抱ける様に、今日も、今から、頑張らねえとな。」
爽やかな笑顔を見せて、左之助さんがその笑顔に全く似合わない不穏な事を口にする。
いっぱい抱ける様にって…、去年もこれでもかっていうくらい抱かれて、体力が大変だったのに!!?
ビックリして左之助さんを、口を開けたまま見上げてしまったら、左之助さんが瞳を細めて見つめ返して来た。
その眼差しに深い愛を感じていたのに…。
「んっ、や、ちょっと…!」
左之助さんの大きな手の平が、包み込んだ胸の、硬くなってしまった先端を擦り始めた。
ジクジクと疼く快感が、胸からお腹の奥の方へと流れてしまう。
熱くて、ジン…と痺れて、ピクリと身体が小さく何度も跳ねる。
「左之助さんっ!」
「年末、忙しくて逢えなかったんだ…、今日はガッつくから、覚悟しとけよ。」
「やだ、何でそんな事今ここで言わなくたって!」
「神様に誓わないとな。お前を、心も身体も愛し抜くって。だから、土方さんを説得して、初詣に来たんだ。早くお参りして、しっぽりとしけこもうぜ。」
「左之助さん!!神社で何言ってるのよ!」
「一年の抱負だぜ。」
驚愕と淫らな感覚に歪んだ眉間に、左之助さんが口付けをした。
人混みを掻き分けて進む左之助さんのお陰で、もうすぐ境内でお参りが出来るはずだ。
胸を弄られていても左之助さんは私を守りながら、境内へと周りをぎゅうぎゅう押しやりながら進んでいた。
それもこれも、この後のためだったのね…。
「なんだよ、嫌だとは言わせねえぞ。そんなに欲しそうな顔して…、今すぐ貫きてえのに我慢してやってんだから、感謝して欲しいくらいだぞ。」
「今すぐ?ここで!?」
「まぁ、お前の淫らな姿、皆に見られんのは癪に障るから、んなことしねえけどな。」
「あったりまえじゃない!何考えてんのよ!」
「今は…、お前とやる事しか考えてねえよ。」
「神様の前で、そんなことばっかり!!」
「ああ。いつも頭の中はお前のことばっかりだぜ。今年も、拍手の数だけ…、させろよな。」
耳元で囁きながら、左之助さんの指が胸の先端の尖りを摘まんだ。
太腿に、ツゥ…と垂れる蜜の感触…。
駄目だって、そんな声で囁かれたら、そんな、弄られたら…。
「拍手の数だけ…?」
「ん?」
「もっと…、もっとが…良い。」
私の言葉に、左之助さんがにやり、と口を歪めて、色気を含んだ笑顔を綻ばせた。
「ああ。沢山してやる。覚悟しておけよ。」
薄桜鬼 二次 原田左之助
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