「いや、それにしても・・・・・・。一体、誰なんだろうな・・・、『白い学ラン』なんて書いた奴・・・。」
平助君が、未だに隣で話し続けている。
「うん・・・。何の意図があって、だろうね?」
この学校で、白い学ランは一つしかないと思う。
何故、そんな危険なものを・・・と思っていると、ゴールの係りの人の下に山崎先輩が走り寄ってきた。
「後二名の走者は、怪我で棄権した。」
そう伝えると、ふとこちらに視線を向けて小さく微笑んでくれる。
「え?怪我で棄権・・・って。怪我するような事が書かれていたって事?」
山崎先輩に笑顔で会釈しながら平助君に聞くと、平助君が唸りながら首を傾げる。
「う〜ん・・・、まぁでも、白い学ランとか書くくらいだし・・・、有り得るかもな。」
恐ろしそうに身震いをするフリをして、ニカッと笑う。
「ぁあ!!そうしたら、私ビリなんだ・・・!」
自分の4と書かれた旗を見つめて、名前がガックリと肩を落とした。




その頃、席に戻った天霧先輩は、風間先輩に盛大に睨まれていた。
「貴様・・・、あれは一体どういうつもりだ・・・。」
「どうやら、土方先生が用紙を半分に千切ったようで・・・。」
天霧先輩の言葉を、まるで遮るかのように、寝そべっている不知火先輩が笑い出した。
「おのれぇ・・・、土方めぇ・・・・・・。」
せっかく、妻が自ら(邪魔な小猿が一匹ついてきていたようだが、それはあえてここでは無視をしよう。)駆け寄ってきてくれたというのに・・・。
天霧先輩に行かせずに、自分で出迎えれば良かった・・・と、今更後悔しても後の祭りだった・・・。




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