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山崎さんから一報が入ったのは、夕刻の巡察に出かけようとしている最中だった。 将軍警護から隊士たちが戻り、屯所の中は賑やかになっていた。 幹部が集まって、報告会議を開いている時に、飛脚が速達だ、と言って手紙を一枚持って入ってきた。 それを受け取り、会議の途中で開いた土方さんは、みんなに黙るように手で制した。 「山崎からだ。」 山崎さんは、屯所には戻らずに髪結い処に戻っていったはずだ。 会議の合間に、髪結い処近辺の変化は、既に斎藤さんがみんなに報告している。 山崎さんからの報告だ・・・という言葉で、何かがあった・・・とすぐに察しがついたみんなは、押し黙って土方さんの言葉を待つ。 「れいが居ない。髪結い処がもぬけの殻だそうだ。金庫の中身も無く、扉も開け放たれた状態。戸締りをしっかりとするれいにしては、おかしいと思って近所の人に聞いたら、昼過ぎに数人の男たちが押し入って、連れ去られているのを目撃している人がいたらしい。」 「地主の息子か?」 「恐らく。」 斎藤さんが、刀に手をかけて立ち上がる。 「俺が行きます。」 「待て!お前はこれから巡察だろう!」 「しかし!」 「みんなは次の山崎の報告があるまで待て。斎藤は巡察だ。」 「副長!!」 「巡察には俺も行こう。」 「・・・・・・?」 土方さんが、近藤さんに目配せをすると、近藤さんが静かに頷いた。 唖然とする斎藤さんに、沖田さんが呆れたように声をかける。 「分からないかなぁ〜、一君。土方さんは、巡察とは名ばかりの押し入り強盗をしようって言ってるんだよ。」 「強盗とは人聞きが悪いよ。奪還って言ってあげなよなぁ。」 「ともかく、斎藤と土方さんが先発隊で、俺らは待機・・・で、良いんだよな。」 「まったく、優しいよなぁ、土方さん!」 「お前ら!グダグダ言ってんじゃねぇ!!」 土方さんは、顔を紅く染めながらズカズカと大股で部屋を後にした。 斎藤さんは土方さんの後を追いながら、胸が締め付けられそうになるのを感じていた。 「何て顔してやがる、斎藤!隊士たちに気づかれるぞ。」 「副長、俺は・・・、れいに相談されていたのに・・・。」 「事が起こらなきゃ、解決できねぇ事もあるんだよ。事が起こってくれたことに感謝しろ。」 「しかし、れいの身に何かあったら・・・。」 土方さんは、その言葉には答えなかった。 何かあったら・・・・・・。 昼過ぎから今の時間まで、すでに数刻経過している。何も無い確立のほうが低い。 あまり良い想像が出来ない・・・。 「とにかく、巡察しながら、地主の家に確認に行くぞ。他の場所に連れ去られていたとしても、それは山崎の報告で総司たちが動いてくれる。今は、一番可能性のありそうな場所を即叩く。」 「はっ!!」
れいは、スースーする胸元の寒さに、目を覚ました。 確か、男二人が不穏な会話をしていて、目を覚ますまでは何もしない・・・と聞いて、これ幸いにとばかりに、頭に走った衝撃と共に意識を手放して・・・・・・。 「な、何??」 風が直に当たっている胸元を、ザラリとした感触が微かに触れてくる。 「お、やぁっと起きよったか。」 薄暗い室内、逆行で声を発した人物の顔が見えない。 しかし、声で息子と話をしていた男と分かる。 「ええ乳しちょるのう。」 そう言いながら、男はれいの胸を着物の合わせ目を無理やり開いて持ち上げる。 「や!!触らないで!!」 「そげなこと言える立場に居る思うちょったがか?」 「思ってるわよ!お金が欲しいんでしょう?あんたが私を犯しても、お金になんかならないじゃない!」 身を捩って男の手から逃れようとするが、太腿をがっちりと掴まれてしまい、動けなくなる。それでも何とかしたくて、縄を解こうと手を動かす。 気を失う前に大分動かしていたおかげで、少しだけ縄が緩んでいる。 「おまはんは知らんがかぁ。わしがおまはんを襲った後に売ったとしても、値段は変わらんっちゅーことを。」 胸を鷲掴んで、顔を近づけられる。 気持ちの悪さで声が引きつる。 「やめて!!」 「嫌がる女を無理やり抱くっちゅーのも、乙なもんじゃの。」 ぢゅ〜っと、業とらしく音を立てて、頂きに吸い付く。 「いやだ〜〜〜!!!」 精一杯大きな声を出して、なんとか家の外に聞こえないかと願うが、どうしても掠れてしまって思うように声が出せない。 その間にも、着物の裾を割って、男の手が股の間に侵入してくる。 太くてごつい指が、隠れている陰核を探り当てて押しつぶしてくる。 気持ちの良さなど欠片も無い。ただ気持ちが悪くて虫唾が走る。 こんな時に泣いてなんかいられないのに、ボロボロと涙が流れてくる。 逃げ出すのに視界がぼやけてしまうから、泣いてなんかいられないのに・・・。 何とか開いた隙間から手を引き摺りだす。縄で擦られて擦り傷だらけになった手首が抜けて、やっと自由になった。 男の頭を思い切り叩いてやる。 「あいだっ!」 頭を擦る為に手を退けた隙に、男の下から這い出ようと身を翻すが、髪を鷲掴みにされて上体を持ち上げられる。 「ああっ!!」 痛みをなんとか和らげようと、掴まれている腕を掴んで放そうとするが、そのまま床に叩きつけられて圧し掛かられる。 「優しくしてやろうっちゅうわしの心意気を無駄にするがか!?」 足を大きく開かれて、そこに下帯から出された男の男根を押し当てられる。 「どうせ、すぐに濡れてくるじゃろ。さっさとぶち込んで、悦がらせてやるが!!」 恐怖は無い。嫌悪感と絶望感があるだけだ。 それなのに、喉が引き連れて声にならない空気を吐き出すだけしか出来ない。 なんとか腕を突っぱねて、男の身体を退かそうとするが、腰を押しこまれてしまえば意味が無い。 男が、全く濡れていない蜜口に無理やり押し入ろうとしたその時、天井でカタリ・・・と音がした。
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