【共通√ 高見沢さんVer.】
writer
ト書き:高見沢さん
セリフ:唯さん、しずさん
―――――――――[彩花side]
「君はっ・・・どうして! 僕がこんなに・・・耐えているのに──!」
「えっ、あの・・・たけ、ち、さん・・・?」
言葉の意味を、量りかねて。
その顔を見上げたわたしは、その意味を尋ねるけど。
「・・・・・・・・」
『ぎゅうっ───』
「君に触れまいと・・・いつも必死、なんだ」
突然、互いの距離がなくなって。
わたしをきつく抱きしめた武市さんが、囁くように続ける。
「一度触れてしまえば、もう──止まれなく、なるのが、怖い・・・」
「・・・・・・・・・」
きゅっと、着物を掴んで。
わたしは、睫毛が影をつくるその顔を見つめる。
「──────!」
「・・・・よかった」
「え?」
「わたしに魅力がないから、その・・・そういうこと、しないのかなって」
こんなことを口にするなんて、はしたないかもしれない。
でも───。
恥ずかしい気持ちよりも、うれしい気持ちの方が強くって。
「でも、わたしの為を思ってのことって、わかったから・・・よかった・・・・」
途切れ途切れに、想いを告げる。
「魅力がないわけがないだろう・・・・。君の姿に・・・・何度、眠れぬ夜を。・・・ぁ・っ!」
「・・・・・・!」
武市さん、武市さん───。
武市さんっ───!
「・・・・・・・・」
「・・・あの」
口から飛び出してしまいそうに、どきどき、どきどき、早鐘を打つ心臓。
わたしは、もう、武市さんでいっぱいで。
「・・・なんだい?」
「・・・・・・・・」
「ん?」
ふわり、微笑んで促してくれる武市さんに励まされて。
真っ直ぐ見つめて、口を開く。
「きょ、今日の夜も・・・違う意味で、眠れない夜にしてもらえませんか・・・?」
「そ・・れ、は───」
わたしを抱きしめる武市さんの腕に力が入る。
でも、その口から紡がれたのは───。
「・・・だめだよ、君は何も分かってない。・・・僕なら・・我慢、できるから」
[武市半平太side]
顔を赤らめながら、僕を赦(ゆる)す言葉を口にした彩花さんを留めると。
彼女は、その大きな瞳を更に見開いた。
次の瞬間───。
「─────っ!」
肩に手がかかったと思うと、引き寄せられて。
───触れたのは・・・二つ、の口唇。
「わかってないのは、武市さんです!」
強く僕を抱きしめながら、続く、小さな小さな囁き。
「我慢なんて・・しないで・・・」
彩花さんの、睫毛で涙が留まる。
常ならば逸らされてしまう筈の瞳は、いま、真っ直ぐに、僕を映すから・・・。
言葉以上に、その想いを知るには、十分過ぎて・・・。
純粋で、無垢で、可憐で──。
勇敢で・・・。
華奢で、清楚で、優雅で──。
・・そして、活発で──。
尽きることのない、魅力を持つ君は───。
あぁ、どれだけの勇気を持って、いま、僕にそう告げているというのだろう・・・?
彩花さんを、僕で満たしてしまうのは、簡単なことで。
毎夜、眠れぬほどに焦がれ続ける、愛しい君が、僕を・・・乞う───。
彩花さんを・・・。
僕が、穢(けが)す──?
否───!
彼女を、清い身体のまま、親元へ帰さなければならない。
仮令(たとえ)『帰らない』、と言うことがあったとしても・・・。
冀(こいねが)う彩花さんからは、無意識の色香が、匂い立つが。
しかし、きっと・・・・。
兆(きざ)した僕には、彩花さんは未だ、気付いていない───。
僕は、僕は──っ・・・。
Now, choose?
『あなたの好きな武市さんは・・・』
● 勿論ストイックなところ! → ● 時々暴走しちゃうところ! →[ 4/19 ]