赤い表紙の日記〜4頁目〜
わたしはひとりぼっちだ。
この村では、真っ赤な髪はわたしだけ。
お父さんもお母さんも金髪で、おじいちゃんも金髪。
お隣のキャシーも、そのお父さんとお母さんも金髪。
お隣のお隣も、そのまたお隣も、村中みんな金髪。
そんな中で、わたしだけは真っ赤な髪。
どうしてわたしだけこんな色なんだろう。
同じ赤でも、熟れた林檎のような赤なら好きになれたかもしれない。
でも、わたしの赤は全然違う。
例えるなら、あの色だ。わたしがうんと小さな頃、お母さんがナイフで手を切ってしまったことがある。その時に見た、真っ赤な色。
血の色。
わたしはこの色が大嫌いだ。