こう
せい!



遠くで澄んだ鐘の音が響く。
礼拝堂には熱心なキリシタン達が足しげく通い詰め、神に祈りを捧げるのが常だ。それが真理であるように、それが全てであるように。


「はい、あーん。」
「…あー…ん。」


桐青高校の敷地内には、人の寄り付かない礼拝堂がある。
というのも隣接といっても過言ではないほど近くに遥かに立派な教会が建っているからだ。
熱心な在校キリシタンは殆どそちらへ流れてしまうからこその、静寂。閑散。

一人の女が、司教台に腰を掛け。
一人の男が、それにひざまづく。

ステンドグラスから色とりどりに差し込む夕日はその二つを鮮明に映し出していた。


「…ん、ん゛ぇ…」
「利央、がまん。」


利央と呼ばれた男は、女に開かされた口の中にある舌を指で摘まれていた。楽しげに女はカラカラと笑い、その濡れた粘膜の中心にある金色を爪で弾く。その仕業に利央の身体が震えた。


「奇麗。空けて何日目だっけ?」
「…っぁ…。先パイの、誕生日に空けたんでしょお。しかも無理やりさァ、チョーぉ痛かったんだから。」


舌を解放された利央は、女を先パイと呼んだ。むくれたように先パイから視線を逸らし下の方へとやる。
しかし先パイはそれをいたく気に入らなかったようで、スカートが捲れ下着が見えるのも気にせず、足の甲で利央の顎を持ち上げ上向かせた。
蛙が押し潰されたような呻き声が聞こえる。


「その穴、拡張してリード繋げるようにするからから校内散歩しようか?」
「イ、ヤだぁ…ごめんなさァい。」
「…じゃあ、もっと見せて。」


先パイは、利央にそうせがむと、利央は嬉しげに舌を露出させた。

利央はまるでよく躾られた犬のようで、見えない尻尾がぶんぶん振るってるようで。先パイはニヤリと口元を歪ませ、司教台から飛び降りると自分の太股辺りの高さにある利央に口づける。

歯列をなぞり尖らせた舌でそれを割り開いて粘膜同士を絡ませる度にカチカチと歯に当たる異物の音の振動が心地良く感じた。

柔らかく生温い舌とは違った固くて冷たい金属。

粒のようなピアスを舌で弄び、上から下から歯で甘噛みをしてやると利央は甘い吐息を漏らしたが、私はそれを飲み込んで更に唇を、咥内を貪った。


「ん、はぁ…良いね。舌ピアスって。色んな意味で、感じる。」
「先パイもさぁ、舌ピ空ければ良いじゃんかぁ。」
「私は美しいと思っただけだよ。」
「チョー、サディストぉ。」
「…神は身体を作り替えることを許さなかったそうだよ、利央。裏切り者だね、ひひっ。」
「うわ、わ!ばぁチャンに伝言頼まなきゃぁ!」
「…冗談だよ。」
















091225
聖なる夜に他ジャンルな利央←
キリシタンは彼しか居なかったから。
舌ピアスって良いよね!自分は痛いから絶対したくないけど、他人のはニードルとかアイスピックでぶっすり空けてやりたい。
ヤンデレ?あ、よく言われます!しかし適当だな。
U子。

せい
こう!
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