こう
せい!




「ねぇ、レグルス?」
「はい?」
「何時から俺って言うようになったの?」
「・・・何のことですか?」


口の周りにマフィンのチョコチップをぺたぺたと黒子のように纏ったFirst name先輩に若干呆れながらも、彼女の鋭い洞察眼に内心ヒヤリとした。


「いやね、この間まで一人称は『僕』だったじゃない?イイトコの坊ちゃん宜しくさ。」
「一人称を『僕』と名乗ってる全世界中の人に謝った方が良いですよソレは。」


ナプキンをFirst name先輩の顔に押し付け、少し乱暴にチョコチップを拭ってやると「むぅ!」なんて不満げな声を上げながらも小さく「ありがとう」と呟いたFirst name先輩の頬がほんのりと桃色に染まる。


「この際、何時からは問い質さないよ!どうして『俺』って言うことにしたの?」
「First name先輩に教えられない程つまらない内容なので気にしないで下さい。」
「うわー!何ソレ気になるー!ねぇ、セブ!レグルス年下のクセに生意気なこと言ってやがるよ!!」
「面倒だから僕に振るな。」


左手に持っていたナプキンが音も立てずに深い皺を作り、右手に握っていたフォークがぐにゃりと拉げた気がした。




















101204
短い。
何となく、うちのレギュラスの一人称が『俺』の理由を書きたかった。
彼女の傍に居る人間には誰だって敵対心を抱く。
せめてもの強がり。それが可愛いとも知らずに←
U子

せい
こう!
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