こう
せい!



「好きですよ、先輩が好きです。
くしゃってする笑顔が好きです。拗ねたように唇を尖らせる怒り方が好きです。無表情で涙だけ流す悲しみ方が好きです、その時は横顔が一番好きですね。手が小さいのが好き、長くない爪も痛くないから好きです、桜貝乗っかってるみたいで可愛いくて好きです。墨を流したような髪の毛が好きです。何処見てるのか解らない瞳が好きです、その瞳に俺を映してくれるのもすごく好きです。桃色の唇が好きです、先輩とのキスが好きです。耳たぶ薄いのも好きです、触ったら擽ったそうに身を捩る反応がもっと苛めたくなる位好きです。たまに見える首筋も好きです、噛み付きたくなります。柔らかい二の腕が好きです。似た感触の胸も好きでアイタッ!殴ること無いじゃないですか・・・。ああ、あと細すぎない太股が好きですあの弾力が大好きですよ。そういえば背中と腰の間の左寄りに黒子あるの知ってました?あれ、色っぽくて好きです、誘ってるみたいで。あとたまに甘えてくる時に抱きしめて欲しそうに腕伸ばしてくる感じが好きです、好きだから全力で抱きしめ返してます。子供みたいに俺を頼りにしてくれる時の縋るような目が可愛いから好きです。ちょっと口が悪いところも好きです、その口の悪さに何回か救われてますからね。好きって言ってくれないからこっちから言いますよ、何回でも。そういえば先輩の好きなものってなんですか?俺、実は先輩の好きなもの何も解ってないんです。好きな色とか、好きなチーズとか、好きな教科とか、好きな場所とか。好きなもの教えてください。あ、でも先輩の好きな人は俺だ。って信じてますからね?何で、って俺が好きだからに決まってるじゃないですか。ええ、確証は好きだからです。だって本当に好きでしょう?俺のこと。ちょ、痛っ!同じトコ何度も殴らないでくださいよ・・・まぁ好きだから赦せますけど。ちょ、先輩そのローキックは意外と効く・・・っ・・・・・・結構痛いなぁ・・・そういえばどうして好きな人の好きなモノを知りたいって思うんですかね?しまいにはその好きを共有共感しようとするし・・・あ。好き。だからなんですかね?ね、先輩。好きです。好き。俺のこと好きになって下さい。俺に好きって言って下さい。溢れんばかりのこの『好き』を共有してください。え?どれくらい好きか、って?俺は好きすぎて死にそうになるくらいですよ?深刻な病です。俺、意味も無く先輩抱きしめるの好きですよ。柔らかくて押し潰したくなるくらい好きです。吃驚して跳ね上がる肩とか、躊躇いがちに背中に回してくる手とか、首元に顔埋めると先輩の匂いがして、好きだなぁ。って実感します。どうして人を好きになるんでしょうかね。俺はきっと先輩以外を好きにはなれないですよ。そりゃあ家族も他の先輩方も好きですけど、そういう好きとは別の好き。なんですよね。すごく特別な存在で、考えるだけで幸せになれるような、相手も想ってくれたら良いな、とか。言葉にしなくても脳に、心に少しでも居場所を作れたら良いな。って思います。多分それが好きってことなんでしょうね。もちろん双方の意見のすり合わせ次第ですけど。好きと嫌いの間にある許せる妥協点で心を間借りする、みたいな。

・・・随分顔色が悪いみたいですけど?ちなみに、あと32回好きって言えますけど聞きます?…あ、今ので31回ですね。」

「もういらん。」





(「例えば一度きりの人生の内に『好き』って100回しか言えないとしたらどうする?」って聞いただけなのに鳥肌が立って気持ち悪い。)
(多分どれだけ好きだって言っても全部は伝わらないんだろうなぁ。)














101106
ゲシュタルト崩壊して死ね
多分言った数え間違ってると思うwww
U子

せい
こう!
第3回BLove小説・漫画コンテスト結果発表!
テーマ「人外ファンタジー」
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