「えーイヤやそんなんー」

コンコン

「お、依頼か?」

ガララ

「久しぶりだね」

「おおモモカやん!!久しぶりやなぁ!どうしたん?」

「いきなり来て迷惑だったかな?」

「そんなことないでー全然大丈夫や!」

「しっかし随分大荷物だけど、それなんだ?」

「せや、どうしたんこれ」

「何か使えるものがあったらと思って貰ってきたんだ」

『コレは使えるな』

「ボッスン、布や布!」

「おお!」

『それっぽい服もあるぞ』

「ありがとうな、モモカ!」

「役に立ったみたいで良かったよ。けどそれ、何に使うんだい?」

「今日ハロウィンやろ?仮装すんねん仮装!モモカもどうや?」

「ア、アタイはそういうの似合わないよ…!」

「えー絶対似合うて!モモカは何着ても似合うもん!なあ、スイッチ」

『そうだな』

「あ、これとかどうや?とりあえずカチューシャだけでもしてみ?」

「これは、悪魔…デビルかい?」

「そうみたいやな」

「じゃあ、カチューシャだけなら…」

モモカは普段しているカチューシャを外し、二つのツノのついたカチューシャをつけた。

「やっぱ可愛ええなあ!」

「よしておくれよ姉さん」

「ちょお服も宛ててみよ!あ、これ後ろに羽根もついとるやん!」

それは黒をベースとし、裾や袖、襟元など、ところどころ赤が入ったワンピースだった。

「モモカがデビルやろ、ちょおアタシエンジェルの格好しよかな!?」

そう言ってヒメコが手に取ったカチューシャは、カチューシャ本体から上に伸びた針金の先に白い輪がついたものだった。要するに天使の輪だ。

「どや、似合うやろ?」

「どっちかっつーとおめーは悪魔だろ」

「何やと!」

勢い余ったヒメコの頭からカチューシャが外れた。

「モモカが天使の方がいいって絶対!お前は悪魔だ!」

「そりゃあモモカは天使やけど!…なんか腹立つなお前!」


「モモカ、そのカチューシャつけてみてくれ」
「見とけ!今着替えて来たるから!」



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テーマ「人外ファンタジー」
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