イタズラの末


デパートから無事帰還し、チュウさんに怒りをぶつけながらいそいそと服を着て部室に戻れば、オレが着替えてる間に一足先に部室に来ていたヒメコがいた。

「あれ?スイッチは?」

さすがにポスターとタぺストリーのことを謝ろうと思っていたがスイッチの姿は見えなかった。
机の上には破れたポスターが乗っていた。

「なんや外行きよったで」

「外?」

行儀は悪いが窓から外に出てみればスイッチの姿が確認出来た。

「ちょっと行ってくる」

上履きのままスイッチのいた方向へ向かえばスイッチはどこからかタライを持ってきていた。

(何すんだ?)

こちらからはスイッチの背中でタライが隠れてしまいよく見えないが、どうやら先ほどのタぺストリーを脇に持っているのがチラッと見える。

(もしかして洗うのか?)

(ていうかオレそんな嫌われてんのかよ…)

校舎の影に隠れてそのままスイッチの動向を見守る。


(おお…やっぱ怒ってんな…)

このまま隠れているのはよくないと思い、わざと足音を立てながらスイッチのもとへ向かう。

「よ、よおスイッチ」

スイッチはゴシゴシとタぺストリーを洗う手を止め会話のためにタオルで手を拭いた。

『どうした、変質者』

「ヒドッ!やっぱ怒ってる?」

『ああ、殴ろうかと思っていたところだ』

「おお…殴られんのかオレ…」

『冗談だ。実はそれほど怒っていない』

「ウソだろ」

『怒りが無いと言ったら嘘になるがボッスンが性犯罪者として捕まるのは御免だからな』

「ハハ…笑えねー…」

『弁償しろとは言わないが修復するのは手伝ってほしい』

「ああ」





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