それは何度目の今日にも同じこと


「あーがーたー」
「んー」
「起きろって」
「えー」
「初詣行くよ」
「まだ年明けてねーだろ」
「今何時だと思ってんだよ」
「11時くらい?」
「1時だよ!」
「え?マジ?1一つ多かったか」
「そこなの?なんで起こしてくんなかったのーとかじゃなくて?」
「なんで起こしてくんなかったのー」
「年明け10分前に起こしたよ」
「起きてねーじゃん」
「安形が起きないのがいけないんだろ」
「叩き起こした?」
「叩いた。超叩いたけど唸って終わった」
「キスした?」
「…してない」
「何その間。したの?」
「するわけないだろ」
「しろよ!したら起きたって絶対!」
「理不尽だな!ほら目覚めただろ、初詣行こう」
「嫌だよさみぃ」
「じゃあなんでここにいんだよ年明け前には神社行こうって転がり込んできたのは誰だよ」
「そんなこと言ったっけオレ」
「言った」
「一緒に年越ししようぜとは言ったかもしんねーけど神社行こうぜとは言ってねーよ」
「普通行くだろ」
「フツー姫始めだろ」
「最低だな」
「どこが」
「その汚れを神社で祓ってもらいに行こう」
「今からオレと快楽を求めにイこう」
「…初詣行かなくていいから取り敢えず外出ろよ」
「何?野外プレイがいいのか?さみぃぞ?」
「もうなんでもいいからここから出てって」
「すいません分かりました初詣に行きましょう」
「なんか悪巧みしてない?」
「してないしてない」
「ホントに?」
「おう」
「じゃあ半径1メートル以上離れて歩いてよ?」
「それはちょっと難しいなあ」
「じゃあ2メートル」
「なんで増えんだよ!?そこはしょうがないなあって40センチくらいに譲歩しろよ!」
「なんか企んでんだろ」
「企ん…でねーよ」
「嘘だろ」
「疑い過ぎじゃね?」
「じゃあもし何かしたら1週間顔合わせないことにする」
「どんどん罰が重くなってね?」
「それくらいしなきゃダメでしょ」
「どこまでならいいわけ?」
「手くらいなら繋いでもいいよ」
「そんだけ?」
「それだけ。大通りまでね」
「それ以外は?」
「だめ」
「なんで」
「なんでも」
「…じゃあせめて遠回りして行こうぜ」
「やだよ寒い」
「手はあったかいだろ」
「手だけじゃん」
「だから一発ヤッてけばあったかいって」
「やっぱ手も無し」
「うそうそ冗談!ほら早く行こうぜ!」
「ちょ、今繋いだら準備できないだろ」
「できるできる!」
「どうやってコート着るんだよ」
「オレが後ろからこうやって引っ付けば寒くねえって」
「何してんだよ」
「コートの代わり?」
「重い」
「よし、このまま外行くぞー」
「その前にオレトイレ行きたいんだけど」
「じゃあ一緒に行こうぜ」
「来るな!」
「オレが手伝ってやるって」
「いいよ!いらないよ!魂胆見え見えだよ!」
「冗談だってーの」
「たち悪いな」
「早く行かねーとホントについてくぞ」
「言われなくても行くって。カバンとコート持って先に下行ってて」
「はいよー…あ、ミチル」
「何?」
「あけおめ」
「いまさら?」
「言ってなかったなあと思って」
「タイミング悪いな…」
「今年もよろしくな」
「…こちらこそ」



それは何度目の今日にも同じこと

年賀メール
2013/1/1


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