嶺蘭


ランランは、オフの日でもぼくの楽屋に来る。それは決まって夜であり、ごはんを奢られるためである。
今日もどうやらそうらしく、収録を終えて楽屋に戻ればランランがいて早く支度しろと促される。お疲れ様とか言ってくれればいいのに。

「一緒に飯食ってやるって言ってんだから早くしろよ」

「お金出すのはぼくなのに…」

「今日は安く済む」

いやそういうことじゃなくてぼくが言いたかったのはランランの発言が上から目線だったことなんだけど。まあそれがランランだから別にいいんだけど。

「今日はどこのお店?」

「スーパー」

「え?もしかして今日はお惣菜なの?」

「ちげえよ」

「じゃあカップ麺?」

「…ってやるって言ってんだよ」

「え、なに?」

「メシ作ってやるって言ってんだよ」

「ホントに?作ってくれるの?なになにどうしちゃったのランラン?!」

「うるせえ!いいからとっとと支度しやがれ」

今日はいつもより遅い時間だからきっとランランもお腹ペコペコで今すぐにでもごはん食べたいはずなのにわざわざ作ってくれるのはもしかしなくてもぼくが誕生日だからなんだろうなあと思いながらてきぱきとここを出る準備をした。




2013/07/13
「#年下攻め」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -