これウマそう!



「なんだこれ?」

ヒメコから届いたメールの文面は太陽と顔を歪めた絵文字だけだった。

「普通に考えたら暑いってことだよな?」

ただなんとなく他愛ないメールを送るということをあまりしない自分にとってそれはどう返信すべきか迷うものだった。

「…これじゃちょっと素っ気ないよな…」

結局メールは
そうだな。お前今何してる?
と暇人丸出しの内容で送信してしまった。

いや、待てよ?この絵文字が緊急のもので、例えばどっかの悪い男に捕まってて隙をみてこのメールを送ったんだとしたら…?

閉じていたケータイを開き、履歴からヒメコの名前を選び電話をかける。

『もしもーし。なんやどうしたん?』

「あれ?あ、えと、さっきのメールなんだけど」

『ん?ああ、あれか』

「暑いって意味でいいんだよな?」

『分かっとったんちゃうん?』

「誰かに攫われたとかじゃないよな?」

『はあ?んなワケないやろ』

「そ、そうか…」

『なんや心配したん?』

「ち、ちげーよ!」

『わざわざ電話までかけて?』

「メールが面倒だったんだよ!」

『ふぅーん…ところでボッスン、』

「あ?」

『今何してん?』

「今?別に何もしてねーけど」

『ほなちょおどっか行かへん?』

「どこに?」

『せやなー…どこ行こか…いつもデパートやからなあ…アンタどっか行きたいとこないん?』

「そうだなー…あ、オレドーナツ食べたい!」

『ドーナツ?唐突やな!ミスドか?クリスピーか?それともどっか他にオススメでもあるん?』

「いやねえけど」

『まあ何にしろとりあえず集まらなあかんな』

「おう」

『ほな1時間後に駅前な』

「はいよー」

『金持ってこいよ』

「言っとくけどお前の分は払わねーからな!」

『はいはい。ほな後で』

「ほーい」



メールの確認をして終わるはずだったがいつの間にか遊ぶ約束を取り付けていた。

「なんか流れで喋ってたらドーナツ食うことになったぞ?」

テレビに目をやればちょうどドーナツのCMがやっていて、新商品の案内をしていた。





おお、これウマそう!





「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -