ドライブの行く末



くしゃん!と控えめなくしゃみがドライブ中の車内に響いた。

「おい榛葉!会長が風邪でも引いたらどうするんだ!大丈夫ですか会長!オレのパーカーを羽織ってください!」

「いや、大丈夫だ」

「しかし…」

「榛葉さんも困っているだろう」

「あんなヤツが困ったってどうでもいいんです!」

「かっかっか!」

「ははは…」

運転をする榛葉はミラー越しに後部座席の2人を見た。

「ほらキリ、スカイツリーが見えるぞ!」

「あれくらいなら一瞬で頂上までいけますね」

「スカイツリーねえ…」

助手席に座る安形は興味なさげに呟いた。

「安形興味ないんだろ」

「あんなもんあれだろ?人がゴミのようだ!とか言いたいヤツが行くんだろ?」

「ゴミっていうかノミだろ」

「…まあ、それくらい高いってことだよね…」

「そういやあれって何メートルだっけか?」

「ムサシでしょ」

「コジロウは?」

「そういうんじゃないから!」

「じゃあニャース」

「もういいよ!」

「あれだろ?なんかたくさん店できたんだろ?」

「東京ソラマチですか?」

「そうそれ。あそこ行こうぜ」

「安形がそんなこと言うとは…そこでいい?椿ちゃん、キリちゃん」

「次その呼び方したらどうなるか分かってんだろうな」

「ど、どうなるのかな…?」

「タイヤをパンクさせる」

「意外と普通だ!」

「爆破がよかったか?」

「こらキリ!なんてこと言うんだ!」

「冗談ですよ、会長」

「目が笑ってないよ…」


こうして車は目的地まで進み、特に何をするでもなくなんとなく気になった店に寄ってみたりと計画性のない時間を過ごしたのだった。





ドライブの行く末





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