~2012.01.01



「安形ー」

安形に呼ばれて安形宅に来た。
ピンポンを鳴らせば、サーヤちゃんが出てくれた。
階段を上がり、安形の部屋の前に立ちノックをしドアを開けた。

「何このむさい部屋」

「よおミチル」

「お久しぶりです榛葉さん」

「早く手伝ってくれ」

安形はもちろん、椿ちゃんとキリちゃんがいた。

「何これどういう状況?」

「掃除してんだよ、惣司郎だけに」

「寒いな」

「寒いです安形さん」

「掃除だから窓開けてるのかな」

「開いてねーよ!」

「…で、呼び出した理由は?」

「手伝え」

「明らかに人多いよね!?狭いよね!?」

「賑やかな方がいいと思ってな」

「掃除に賑やかさとかいらないよ!」

「いやでも手が多いほうが早く片付くだろ」

「寧ろ散らかってるよ!ていうかなんでエロ本読み始めてんだよ」

「休憩だ休憩」

「…よし、みんな帰ろうか」

「待て待て分かった掃除するから!…惣司郎だけに」

「分かった帰る。椿ちゃん」

「はい。帰るぞ、キリ」

「じゃーな安形」

「おい、」

「三人でどっか行こっか」

「ちょっと、」

「いいですね」

「なあ、」

「安形」

「な、何」

「今更だけどなんでオレ達が安形の部屋の掃除しなくちゃいけないわけ?」

「そうですよ、掃除は一人でするものです」

「散らかしっぱなしの安形が悪い」

「…なんなんだお前らグルか!」

「オレたちは安形の家政婦でも下僕でもないんだからね!」

「じゃあ部下」

「行こう、椿ちゃん、キリちゃん」

「では安形さん、よいお年」

「あ、おいちょっと待て」

ぞろぞろと安形の部屋から出て階段を下りる。

「待て」

「何」

「バイト代をやろう。お年玉と言う名の」

「いくら?」

「…100円」

「オレこの前言ってた福袋欲しいんだよねー」

「…分かった。お前らも欲しいもん言え、この際だから買ってやる」

「ボクは別に」

「オレも特に欲しいもんとか思い浮かばねえ」

「そうか。んじゃまあとりあえず、掃除すっか」

「あ、あった!欲しいもん!」

「なんだ」

「財布」

「しょーがねー買ってやる」

「そうじゃねえよ」

「なんだ?」

「安形、お前の財布を渡せ」

「カツアゲか!なんだお前!」

「早く出せ」

「安形の財布なら確かさっき…あった!はい」

「おいミチルー!」






[end]




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