~2012.04.04



「オレいつになったら帰れんの?」

ボッスンは、卒業生の似顔絵を各教室の黒板に描いていた。

「そりゃあ、全員分描き終わったらやろ」

「あと何人?」

『あと155人分だ』

「誰だよこんなこと考えたの」

「校長やな」

『校長からの頼みを断るわけにはいかないだろう』

「部費アップのためや!ほれ、さっき買ってきたからあげ食べやー」

「あー」

『ジュースもあるぞ』

「一気に口に入れようとすんなよ!」

「だってヒマやねんもん。なあスイッチ」

「オレは忙しいんだよ!」

「じゃあスイッチ、絵しりとりしよーや」

『のぞむところだ』

「のぞんでんじゃねー!邪魔すんな!」

「キレとんな」

『イライラしているな。そのうちチョークが飛んでくるかもしれない』

「お、今描いとんのあの人ちゃう?元生徒会の、」

『前庶務、榛葉道流だ』

「三年生知らん人ばっかやけど知っとる人やと分かりやすくてええなあ」

「オレはその知らない三年生の顔写真見ながら描いてんだぞ」

「大変やな」

「今更か!」

「大変そうやから帰ってええか?」

「なんで!?」

「暇やねん。あとなんか出そうやし」

「トイレか?」

「ちゃうわ!幽霊や!幽霊!」

「んなもん出るわけねーだろ」

「せやかて、前調査した七不思議とかみたいなんあるかもしれんやろ!?」

「それは語るなー!スケット団のルールだろうがぁ!」

「せ、せやったな…やっぱ帰ってええか?」

「帰らないでくださいお願いします」

『ではヒメコ、パトロールに行こう』

「どんだけオレを一人にしたいんだ!言っとくけどパトロールに行くのも危険だからな!出くわしても知らねーぞ!」

「やっぱ帰るのが一番やな!よし!」

「帰るなー!」





黒板に描いた皆の顔





「しゃーないなあ…1時間850円な」

「バイトじゃねえんだよ!」





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