寒い冬の貴重な日



「いい天気ですね」

「ん…そうだな。少し眩しい」


生徒会室の窓際、つまりボクの背後あたりでキリが呟いた。
それに反応するように後ろを向けば、眩しい太陽が輝いていた。


「カーテン閉めますか?」

「いや、いい」

立ち上がり、入れていた暖房を切った。

「この方が節電にもなるだろう」

「さすがです会長」

「寒くないか?」

「大丈夫です」

「そうか」




「……」

「……」


いつもは気にならない沈黙がつらい。
これもこの日射しのせいなのだろうか


「暖かいですね」

「そうだな。こういう時安形さんは屋上で寝てたりするんだろうな」

「…会長もたまにはどうですか?」

「なにがだ?」

「昼寝してみません?」

3限に少しだけ睡魔が襲ったが、生徒会長の肩書きがある以上、そんなことは出来ない。

「いや、いい」

この暖かさが休日にあれば寝ていたかもしれないが。

「オレが膝枕しましょう」

「キリ、話を聞いていたか?」

「さあ、ソファへどうぞ」


こういう時のキリは少し強引だ。
あっという間にソファの上に連れられていた。

「オレなんかの膝で枕になるか分かりませんが」

そう言うと、隣に座っていたキリに強制的に身体を横にされた。


「キリ、」

「はい」

寝るのは良くない、と言おうと思ったのと同時に頭に過ったのはその否定の言葉に謝ってばかりのキリだった。
こんなに気遣ったのにそれが失敗だなんてキリも嫌だろう。

今日だけは、目を瞑ることにした。


「おやすみ」





寒い冬の貴重な日





「ん…」

「おはようございます、会長」

時計を見ると、もうすぐ15時だった。







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「どうして起こさなかったんだ!」

「会長の寝顔が可愛いくて」

椿の寝顔を見てたら起こし忘れてしまったキリくんでした。





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