リトルプリンス



「ねえ、オレとランチしない?」

5歳くらいのちっせーガキが女子高生を口説いているのが目に入った。
ていうか高校に幼児がいるのもどうかと思うぜ。




-----リトルプリンス




遡ること数分前。
いつものように生徒会みんなで昼食を取るため、生徒会室に向かえば
椿に、榛葉さんを探して来てくださいと言われた。
ソファーにはミチルの制服が脱ぎ捨てられていた。
もしかして真っ裸!?いやいやそれはオレが許さん!どこ行ったミチル!

そして教室に戻って室内を見回したところで冒頭に戻る。

「どこのしんのすけだよ!」

まあ赤いTシャツを着てるわけでもケツを出してるわけでもないけどさ。

「あ、あがた!」

見知らぬガキかと思いきや、オレの名前を呼びやがった。あれ?

「ミチル!?ミチルか!」

「なに」

「もしかしてオレ、タイムスリップしたのか?」

「そんなわけないだろ」

「じゃあなんでお前そんなちっせーんだよ」

脇の下に手を入れ持ち上げる。

「うわっ、ちょ放せよ!」

「普段も軽いけど更に軽くなったなお前!…つか、その服…」

ミチルは、どこかで見たことのあるようなオーバーオールを着ていた。

「生徒会室に置いてあるでっかいぬいぐるみの服だけど?」

「ああ、デージーのか」

「似合うでしょ?」

「ああ、オレがうっかりショタコンになりそうなくらい」

「ショタコンの前にシスコンだろお前」

「とりあえず、生徒会戻るぞ」

「あ、ちょっと!」

その場にいた女子に手を伸ばしたミチルをとっとと連れて廊下に出た。


「で、何なの?何これ」

「ジュース買って生徒会室に置いてトイレ行って戻ってきて飲んだらこうなったのさ」

「なんでお前そんな冷静なんだよ!」

「あ、ねえ、肩車してよ!」

「人の話聞いてんのか」

「聞いてるよ?オレは冷静じゃなくて楽しんでるからね」

「なんでオレガキの相手してんだ」

仕方なくその場にしゃがんで、ミチルの足の間に頭を入れた。

「肩車とか何年ぶりかなぁ」

「中学ん時ふざけてかなんかで肩車されてなかったかお前?」

「そうだっけ?」

「覚えてねーのか」

「うーん…天井届くかな?」

「立つぞ」

「うん」

「気をつけろよー」

ミチルの足を掴んで、ゆっくりと立ち上がる

「高いなあ!」

「これこのまま歩くの?無理じゃね?それにミチルの股間が後頭部にあるとか落ち着かないんだけどオレ」

「安形サイテー」

「髪をむしるな!」

「ごめん雑草かと思った」

「ひでえな!」

「ちょっとくらいハゲても大丈夫でしょ」

「お前将来オレが30代とかでツルッパゲになったらどうしてくれんの?」

「子どもはこれくらい無邪気じゃないとね」

「無邪気が過ぎねえか」

このまま歩くのはさすがに危ない気がしたからミチルを降ろして手を繋いだ。
そうか、子どもだと校内でも自然に手繋げんのか

「そういえばさ、年長くらいの頃ってさ、やたらセクハラする男子っていたよね」

「ああー…実習生の先生の胸揉んだり、給食ん時に机の下に潜り込んで女子のスカートん中覗いたり?」

「そんなことしてたの安形」

「みんなそんなもんだろ?」

「えー」

「ミチルはそういうのねーの?」

「オレは昔からこうなんだよ」

「先生と結婚するーとか言ってたのか」

「子どもっぽくて可愛いでしょ」

「昔から女子に囲まれてたりしたわけ?」

「あー…引っ張り合いにされたことはあったかも」

「バレンタインとかは?」

「お母さんと一緒に作ったクッキーとか貰ったかな」

「…」

「…何」

「いや別に?羨ましいとか思ってねーよ?」

「思ってんじゃん」

「オレにはサーヤがいたからいいんだよ!」

「そのわりにエロガキだったじゃん」

「うるせー!」

昔話に花を咲かせていたらいつの間にか生徒会室に戻ってきていた。

「ただいまー」

「どこ行ってたんですか榛葉さん!」

「んー、冒険?」

「中馬先生に元に戻る薬貰ってきましたよ!」

「このままでもけっこう楽しかったし、戻らなくてもいいと思うんだけど」

「戻ってくんねーとオレとオレの息子がもたねーよ」

「安形死ね」






[end]


安形がツッコミという。

榛葉さんがジュースを生徒会室に置いて出てった後、
椿がスケット団から取り上げた薬をそこに置いたのが原因。
…って感じでしょうか。

とにかくグダグダですいません!
リクエストありがとうございましたっ!




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