side ボスヒメ、キリ椿



「待て藤崎!廊下を走るな!」

「そういうお前だって走ってんじゃねーか!」

「な…!違う!ボクは君を注意するために追い掛けているだけだ!」

「おいみんなー生徒会長が廊下走ってるぞー」

「貴様!」

「勘違いされたくなかったらそこで止まるんだな…てアレ?」

足音と姿が見えなくなった。振り向くと、5メートルほど先に窓の外を見ている椿がいた。

「なんだよ」

同じように外を見れば、見覚えのある金髪と銀髪がいた。

「何話してんだろうな」

「仲良さそうじゃないか…」

「…お前ちょっと近くまで行ってこいよ」

「何故ボクが!」

「気になるだろ」

「貴様が行ってこい」

「お前が行けよ」


これはなかなか決着がつかなそうだと視線を外に向ければ、こちらに気付いた二人が手を振っていた。
窓を開ければ、何か叫んでいるのが聞こえた。

「会長ー!藤崎に何かされませんでしたかー!」

「なんやボッスン、弟と一緒かー仲ええなあ!」


「なんなんだアイツら…あ、おい椿、どこ行くんだよ!」

「戻る」

「どこにだよ!」

「生徒会室だ!」

「お前見回りしてんじゃ…おいあれ?消えたぞアイツら!」

「なんだと!?嘘をつくな!」

「嘘じゃねえって」

再度窓の外を見ると、やはり姿は見えなかった。

「アンタら兄弟仲良く何話しとったん?」

「ヒメコ!?」

「キリ!?」

声の主は、窓の外ではなく、間違いなく目の前にいた。

「ていうかなんで抱えられてんだおめー!」

「ギャーはよ降ろしてくれ!」

「お、おう」

「えーと、そんであんたら何しとったん?」

「掃除サボろうとして廊下に出たら椿がいたんだよ」

「会長、お怪我は?」

「大丈夫だ」

「藤崎に何か言われませんでしたか!」

「言われ…てないぞ」

「ホントですか?おい、藤崎!」

「なんだよ」

「会長と何話してた」

「別に?」

「言わねーと吊す」

「おいキリ…!」

「椿がヒメコに嫉妬してた」

「なっ、貴様…!そ、そういう藤崎だってキリに嫉妬していたんだろう?」

「バ、バーカバーカ!は?何言っちゃってんの?そんなんじゃねーし!」

「会長…大丈夫です!オレは会長一筋ですから!」

「キリ…」

「なんやこいつら…ていうか、アンタは、その…なんで嫉妬とか…てアレ?ボッスン?」

「帰ったぞ」

「は?なんやアイツ!」






「あぶねー!椿のやろー本人の前でなんてこと言うんだよ!嫉妬とか、別にしてねーしな!ヒメコのことなんかこれっぽっちも…」






気になってなんかいない
(わりー、掃除終わっちまったか?)





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