∵ メイクオフ

修学旅行入れ変わり中





「着替え取りに行かなアカンねんけどどうする?」
「何が?オレが取りに行けばいいんだろ」
「それはアカン!」
「じゃあお前が行くのか?それはダメだろ」
「いや大丈夫やろ!今みんな風呂行ったし!」
「忘れ物取りに来たヤツがいたらどうすんだ!オレ完全に変態として今後蔑んだ目で見られることになんだぞ!」
「お前は変態やから大丈夫やろ」

取り敢えず部屋の前まで行ってみようや、と女子部屋の方へと向かった。




ヒメコの姿をしたボッスンはコンコン、と軽くノックをして中に人がいないか確かめドアを開ける。

「アタシの旅行鞄ここまで持って出てこい。中見たらシバくからな」
「見ねーようるせえな」



「これだったよな」
ここに到着した時に運んだ鞄に手を掛け持ち上げる。
「重たっ!」
引きずると怒られるので何度か床に置いて持ち直して廊下に出た。

「ここ着いた時から言おうと思ってたんだけどお前何入れてきたんだ!?重すぎるだろ!」
「こんなもんやろ」
ドスッとヒメコの前に鞄を置いた。

「お前人来えへんか見張っとかな変態扱いされんで」
「分かってるっつーの」

ボッスンの姿をしたヒメコは鞄の中から着替えなどの入った袋とポーチを取り出す。

「よし、オッケーやな」
ボッスン、と回りを警戒しているボッスンに鞄を指差し戻してこいと促した。




「次はアンタの部屋やな」

こうして同じように着替えを取りに行き、家族風呂の受付を済ませた。



「メイク落とさなアカンな」
「あ?おお、そういえばしてたのか」
「お前が目擦ったんか知らんけどだいぶ落ちとるけどな」
「別に普通に洗顔すればいいんじゃねえの?」
「そんなんで全部落ちるわけないやろ」
ポーチの中からメイク落としシートを取り出す。

「目ぇつぶれ」
「なんかこええんだけど!?つかお前がやんの?」
「アンタにやらせんのは不安や」
小鼻や目の際など丁寧にメイクを落としていく。
「よし、こんなもんやな」
「大して変わってねーじゃん」
脱衣場の鏡で顔を確認していた。

「あんま見んなや」
「そんな変わんねーんだしスッピンでいいんじゃねーの?」
「毛穴とか色々隠しとんねん」
「そんなに目立たねーと思うんだけどな」

「い、いいからさっさと着替えて風呂入るで!」



メイクオフ

2012.06.19

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