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椿と助人団






「久々だぜ!」
「アタシ小学生ん時以来や!」
入り口付近の小さめのカゴを取って進む3人に続いていく。
店内には近所の小学生と思われる集団やまとめ買いをしている大人がいた。

「あ、これこれ!これ美味しいんやで!」
「何これ」
「飴ん中にガム入ってん」
「へえー」
カゴに次々と物を入れる鬼塚は楽しそうだった。

『これは懐かしいな』
「お、舌が青くなるヤツか!」
「遠足ん時に持ってって舌出して写真撮って貰うんようやったわー!」
「これ知らねー先生に舌見せたら驚いてたな」
「美味しいのか?」
「なんや椿食うたことないん?」
「まあ」
「お前遠足何持って行ってたんだよ」
「別になんだっていいだろう」
「茎わかめか?ん?」
『クラスに1人はいたな。酢昆布やスルメやサラミを持ってくる奴』
「好き嫌い別れるよなーああいうの」
「いやでもよっちゃんイカは定番やろ」

「そういやビッグカツってあれ肉じゃねーんだよな」
「そうなん?」
「知った時のガッカリ感と驚きは今でも忘れねー」
昔から一緒だったわけではないのに昔話の内容に同感する3人が不思議だった。
これは普通のことなのだろうか。

「あ、これやろーや!」
「あ?ああーあったなー!ガムのロシアン!」
『人数が合わなかったりしたな』
「すっぱいの食べたことに気付かなかったりな」
「アタシレモンの方ばっかやったなあ」
「ブドウはあんまりすっぱくねーからな」

僕の知らないものばかりだった。
3人がそれぞれカゴに入れたものを見て興味を持ったものを僕も買うことにした。

「カゴいっぱいやな」
「ちょっと買い過ぎたか?」
『そうでもないだろう』
「大体1日で食べちまうよな」
「手がとまらへんよな」
「椿は?もう買うもんねえか?」
「ああ、大丈夫だ」

それから順に会計を済まし、外に出た。

「椿何買ったん?」
鬼塚が僕の袋の中身を覗いていた。
「ふぅーん…ミモリンどんな反応すんのやろな」
「いつ渡すんだ?」
「朝だろうな。会った時に渡すのが一番だろう」
「喜んでくれるとええなあ」
「ああ。今日は助かった。ありがとう」
「なんや今日はやけに素直やな」

「んじゃまあ帰るか」

こういう体験もたまにはいいかもしれないと思いながら日が傾いた道を歩いて帰路についた。



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2012.05.20

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